この記事はここがポイント
- 終活は意思・情報の整理、お墓・供養の準備、身の回りの整理の3つの柱が基本
- 相続人には民法で定められた範囲と順位があり、配偶者は常に相続人となる
- 相続手続きは3か月・10か月の期限、相続登記は令和6年4月1日より義務化
「終活って、結局何から手をつければいいの?」多くの方がこの悩みをいだいているのではないでしょうか。
同じように、身近な方の相続に直面したときも、「まず何をすればいいのか分からない」と戸惑う方は少なくないのではないでしょうか。
この記事では、終活として準備しておきたいことの全体像と、相続が発生したときの手続きの流れ・期限、知っておきたい制度の基礎を整理してご紹介します。
それぞれのテーマの詳しい進め方は別記事でも取り上げていますので、まずは全体の見取り図としてお読みいただければと思います。
法務ライターとして制度の基礎に触れてきた身としても、終活や相続は「結局何から手をつければいいのか」と戸惑う方が多い分野だと感じています。手続きには期限があるものも多く、後回しにしがちなテーマでもあります。今回は、終活として整理しておきたい3つの柱から、相続人の範囲、3か月・10か月といった手続きの期限、相続税の基礎控除の考え方まで、まず押さえておきたい全体像を整理しました。
終活は何から始める?まず整理したい3つの柱
「終活」という言葉は広く使われていますが、内容を整理すると、おおむね次の3つの柱に分けられます。
- 意思や情報の整理:もしものときに家族が困らないよう、資産・連絡先・希望を書き残しておく(「エンディングノート」の活用等)
- お墓・供養の準備:どのような形で供養してもらいたいかを考え、必要であれば生前に検討しておく
- 身の回りの整理:持ち物や住まいの整理を、無理のない範囲で進めておく
どれも「今すぐ全部やらなければ」というものではなく、気になったところから少しずつ手をつけていくくらいの気持ちで十分ではないでしょうか。
なかでも「エンディングノート」は、資産の一覧・保険や年金の情報・連絡してほしい人・希望する供養の形などを書き残しておくノートで、法的な効力はありませんが、家族が困ったときの手がかりになります。
書店や自治体の窓口で無料配布されているものもあり、市販のノートを使う方もいれば、思いついたことをメモ帳に書き留めておくだけでも一歩になるという方もいます。
「エンディングノート」の具体的な書き方や項目の整理については、別記事で詳しく取り上げていますので、気になる方はそちらもご覧ください。
お墓・供養の準備についても、以前は一般的なお墓を継ぐことが前提でしたが、近年は「樹木葬」のように自然に還る形の供養を選ぶ方も増えています。
それぞれの供養方法には費用や管理の面での違いがあるため、比較検討しておくとよいでしょう。近年増えている「墓じまい」の具体的な手順やトラブルを防ぐポイントについては、別記事で詳しく解説しています。
相続が発生したら誰が相続人になる?
いざ相続が発生すると、まず気になるのが「誰が相続人になるのか」という点です。民法では、相続人の範囲と順位が次のように定められています。
民法で定められている相続人の範囲と順位
配偶者は常に相続人となり、それに加えて第1順位から順に該当する人が相続人になる、という組み合わせです。
実際の相続分(誰がどれだけ受け取るか)は家族構成によって細かく変わるため、具体的なケースについては、司法書士や弁護士などの専門家に確認しながら整理するのが安心です。
相続の手続き、いつまでに何をすればいい?
相続の手続きには期限が定められているものがあり、うっかり見落とすと選択肢が狭まってしまうこともあります。代表的な期限を整理しました。
- 3か月以内:相続を「単純承認」「限定承認」「放棄」のいずれにするかを決める期間。民法915条により、「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内とされています
- 10か月以内:相続税がかかる場合の申告・納税の期限。相続税法27条により、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内と定められています
- 相続登記:不動産を相続した場合の登記も、令和6年4月1日から義務化されており、原則3年以内に申請する必要があります。
期限が近づいてから慌てないよう、身近な方の相続に直面した際は、早めに全体のスケジュールを確認しておくと安心です。
元新聞記者。ガーデニング、インテリア、植物、DIYなどの記事を執筆。華道(池坊 師範科助教・華掌)、フラワーアレンジメントにのべ10年間励み、専門的視点から解説する。一種外務員資格、行政書士試験合格。
