「相続放棄」という選択肢もある
相続では、預貯金や不動産のようなプラスの財産だけでなく、借金などマイナスの財産も引き継ぐことになります。
もし調べてみて負債の方が大きいと分かった場合や、そもそも財産を引き継ぐ意思がない場合には、前述の3か月の期間内に家庭裁判所へ申し出ることで、相続を「放棄」するという選択肢もあります。
放棄をするかどうかは、財産の全体像を把握したうえで判断する必要があるため、迷った際は早めに司法書士や弁護士に相談し、期限内に方針を決められるようにしておくと安心です。
相続税はかかる?基礎控除の考え方
「相続税は誰にでもかかるものなのでしょうか」という質問も、よく耳にします。
相続税には基礎控除があり、国税庁「相続税の計算」によると、基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます(2026年時点の制度)。つまり、課税価格の合計額がこの基礎控除額を超えない場合は、相続税はかからない仕組みです。
ただし、実際の課税対象になるかどうかは、財産の種類や評価方法によっても変わってくるため、「自分の場合はどうなるのか」を正確に知りたいときは、税理士に相談するのが確実です。
遺産分割・遺品整理など、実務的な手続きも
相続では、相続人どうしで財産の分け方を決める「遺産分割協議」を行い、その内容を「遺産分割協議書」としてまとめる場面もあります。
書き方や必要書類については、「遺産分割協議書とは?」の記事で手順を整理していますので、実際に作成が必要になったタイミングでご参照ください。
また、住まいや持ち物の整理が必要になる「遺品整理」も、相続に伴って発生しやすい実務のひとつです。
進め方や費用の目安については、「遺品整理はいつから始める?」の記事で扱っています。
まとめ
終活は、エンディングノートなどでの意思の整理、お墓・供養の準備、身の回りの整理という3つの柱から、気になるところから少しずつ進めていくのがよいのではないでしょうか。
相続については、誰が相続人になるかという基本、3か月・10か月といった期限、相続登記の義務化、相続税の基礎控除の考え方を、まずはこの記事で全体像として押さえていただければと思います。
個別の状況に応じた具体的な進め方は、司法書士・税理士・弁護士など専門家や、各自治体の窓口にも相談しながら、無理のない範囲で取り組んでいただけたらうれしいです。
「何から手をつければいいか分からない」という不安をつぶすところから
ご利用にあたっての注意
- 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品・サービスの利用を推奨・勧誘するものではありません。
- 記載の制度・期限・数値は2026年時点の目安であり、法改正等により変わる可能性があります。
- 相続登記・相続税・遺産分割など個別のご事情に応じた最終的な判断は、最新の公式情報をご確認いただくとともに、司法書士・税理士・弁護士、または各自治体の窓口へご相談のうえ、ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
元新聞記者。ガーデニング、インテリア、植物、DIYなどの記事を執筆。華道(池坊 師範科助教・華掌)、フラワーアレンジメントにのべ10年間励み、専門的視点から解説する。一種外務員資格、行政書士試験合格。

終活や相続というと、なんとなく後回しにしてしまいがちなテーマですが、行政書士合格者として制度の基礎に触れてきた身としては、「何から手をつければいいか分からない」という戸惑いは、多くの方に共通するものだと感じています。
今回の記事では、終活を「意思や情報の整理」「お墓・供養の準備」「身の回りの整理」という3つの柱に分けて整理しました。エンディングノートのように法的な効力はなくても、資産や連絡先、希望する供養の形などを書き残しておくことで家族の手がかりになるものから、樹木葬のような自然に還る供養の選択肢まで、気になったところから少しずつ手をつけていくという考え方は、多くの方にとって取り入れやすいのではないでしょうか。
相続の場面では、誰が相続人になるかという民法上の範囲・順位に加えて、相続の方針を決める3か月以内、相続税の申告・納税を行う10か月以内という期限があること、そして令和6年4月から相続登記が義務化され、原則3年以内の申請が必要になったことも、あらためて押さえておきたいポイントだと感じました。プラスの財産だけでなく借金などマイナスの財産も引き継ぐため、負債の方が大きいと分かった場合などには「相続放棄」という選択肢があることも忘れずにいたいところです。放棄をするかどうかは財産の全体像を把握したうえで判断が必要になるため、迷ったときは早めに専門家へ相談する姿勢も大切だと感じます。
遺産分割協議書の作成や遺品整理といった実務的な手続きも、相続に伴って発生しやすいものとして触れましたが、こうした手続きは実際にそのタイミングを迎えてから慌てるより、大まかな流れだけでも先に知っておくと安心感が違うように思います。
制度は改正されることもあるため、詳しくは最新の公式情報や、司法書士・税理士・弁護士、各自治体の窓口といった専門家に相談しながら、ご自身のペースで整理を進めていただけたらと思います。