住まい

住宅ローンの選び方ガイド|金利タイプ・控除・見直しまで一気に整理

変動型を選ぶ人が7割を超える今、金利タイプの決め方と見直しのタイミング

執筆者中本 智恵編集者/元銀行員
19:00

住宅ローンを組むときに知っておきたい制度

2026~2030年の住宅ローン減税の概要

2026~2030年の住宅ローン減税の概要
出所:国土交通省「住宅ローン減税」

住宅ローンを利用する際に、あわせて知っておきたい代表的な制度が『住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)』です。

年末時点のローン残高の0.7%を、その年の所得税額(一部は住民税)から控除できる制度で、国税庁「マイホームの取得等と所得税の税額控除」で要件が示されています。

国土交通省「住宅ローン減税」によると、住宅ローン控除の適用期間は2026年から2030年まで延長されています(2026年時点の制度)。床面積要件は原則50㎡以上ですが、合計所得金額1,000万円以下の場合に限り40㎡以上に緩和されます(子育て世帯等の上乗せ措置を利用する場合は50㎡以上が必要です)。

控除期間は、省エネ基準を満たす住宅は新築・中古とも13年です。省エネ基準を満たさない住宅は、中古であれば10年、新築の場合は原則として対象外となります(一部経過措置あり)。

住宅ローン控除の必要書類は初年度と2年目以降で異なるため、確定申告に必要な書類の一覧は別記事で整理しています。

制度は改正が重なっているため、「◯年時点の制度です」という基準時点を意識しながら、申告時には必ず国税庁・国土交通省の最新情報をご確認いただくことをおすすめします。

借入後に見直しを考えるタイミング

住宅ローンは組んだ後も、状況に応じて見直しを検討する場面があります。

  • 金利が上がった、または上がりそうなとき:返済額がどう変わるか、対応の選択肢にどのようなものがあるかを確認する
  • 他の金融機関の条件が良さそうに見えるとき:いわゆる「借り換え」を検討する場面ですが、事務手数料や登記費用など諸費用がかかるため、金利差だけでなく総費用で比較することが大切です
  • 繰り上げ返済を考えるとき:手元資金が減る点も踏まえ、教育費等の他の資金計画とのバランスを見て判断する

特に金利が上がった、または上がりそうなときの備え方については、変動金利の住宅ローンは今後どうなるかを解説した別記事でまとめています。

審査の流れと必要書類、団信の基礎

住宅ローンの審査は、一般的に「事前審査(仮審査)→本審査→契約」という流れで進みます。

事前審査では本人確認書類・収入を証明する書類(源泉徴収票等)・物件情報などが必要になることが多く、本審査ではさらに詳細な書類が求められます。

必要書類は金融機関によって異なるため、事前に確認しておくと手続きがスムーズです。

団信については、基本のプラン(死亡・高度障害)に加えて、がん・三大疾病等をカバーする保障を上乗せできる商品もあります。

保障を手厚くすると、その分が金利に上乗せされる場合があるため、保障内容と金利のバランスは、ご自身やご家族の状況に応じて検討するとよいでしょう。

持病がある場合は、団信に加入できないケースもあるため、事前に金融機関へ確認することをおすすめします。

まとめ

住宅ローンは、金利タイプ・返済方式・団信の組み合わせによって条件が大きく変わる、長期にわたる契約です。

この記事では、金利タイプの基本的な特徴と選び方の考え方、年収に対する借入額の目安、住宅ローン控除などの制度、借入後に見直しを検討するタイミングという全体像を整理しました。

それぞれの詳しいテーマについては、別記事でより具体的に取り上げていますので、気になる項目から読み進めていただければと思います。

ご自身やご家族の状況に合わせて、金融機関の窓口や専門家にも相談しながら、無理のない住宅ローン選びを考えていただければ幸いです。

金利タイプの選択は損得だけじゃない

中本 智恵
執筆者中本 智恵編集者/元銀行員株式会社モニクルリサーチ

銀行でリテール営業をしていた頃、住宅ローンの相談窓口では、初めて住宅を購入される方から「そもそも変動金利と固定金利の違いがよくわからない」という声をよく耳にしました。金利タイプの名前は聞いたことがあっても、その仕組みまで理解したうえで選んでいる方は意外と少なく、パンフレットの数字だけを見比べて決めてしまいそうになる場面を何度も目にしてきました。こうした場面に立ち会うたびに、金利タイプの選択は損得だけでなく、その方の働き方や将来設計と切り離せないものだと感じてきました。そうした経験もあり、今回の記事では基本の仕組みから丁寧に整理することを意識しました。

具体的には、変動金利型・全期間固定金利型・固定期間選択型という3種類の違いを整理したうえで、住宅金融支援機構の調査データをもとに、実際に選ばれている金利タイプの割合や、今後の金利見通しに対する意識の変化を取り上げました。あわせて、年収に対する借入額の考え方や諸費用の目安、住宅ローン控除といった制度の概要、そして借入後にどのようなタイミングで見直しを検討するとよいかという視点も盛り込んでいます。

また、事前審査・本審査という流れや、団体信用生命保険の保障内容によって金利が変わる点にも触れ、住宅ローンを検討する際に見落とされがちな部分もあわせて整理しました。金利タイプの比較だけで終わらせず、借りたあとまで見通した内容にできたのではないかと思います。

住宅ローンは、一度組んだら終わりというものではなく、金利動向やご家庭の状況の変化に応じて、その都度向き合っていく契約でもあります。だからこそ、契約時だけでなく借入後も、情報をアップデートしながら考え続けていただきたいと思っています。制度は改正されることもあるため、住宅ローン控除など税制に関わる内容については、確定申告の時期などにあらためて国税庁や国土交通省の最新情報をご確認いただくことをおすすめします。

ご自身やご家族に合った選択かどうか迷われたときは、金融機関の窓口やファイナンシャルプランナーにも相談しながら、じっくり検討していただければと思います。住宅ローンは一人ひとり状況が異なりますので、この記事が唯一の正解を示すものではなく、考えるための土台としてご活用いただければ幸いです。 

ご利用にあたっての注意

  • 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融機関・商品への申込みを推奨・勧誘するものではありません。
  • 記載の金利タイプの特徴・制度・数値は2026年時点の目安であり、金融機関や個々の条件、法改正等により変わる可能性があります。
  • 実際の借入額・返済計画・税制優遇の適用可否など個別のご判断については、最新の公式情報をご確認いただくとともに、金融機関の窓口やファイナンシャルプランナー、税理士など専門家にご相談のうえ、ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

参考情報

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中本 智恵編集者/元銀行員株式会社モニクルリサーチ

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