変動金利の住宅ローンは今後どうなる?仕組みと金利上昇への備え方を解説
Jutharat Jaroenwon/shutterstock.com
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変動金利の住宅ローンは今後どうなる?仕組みと金利上昇への備え方を解説

元銀行員が解説「5年ルール」「125%ルール」が適用されないケースと、今からできる備え

執筆者和田 直子LIMO&ホーム編集部記者/元銀行員
15:00
変動金利の住宅ローンは今後どうなる?仕組みと金利上昇への備え方を解説
Jutharat Jaroenwon/shutterstock.com

この記事はここがポイント

  • 変動金利は2026年6月、短期プライムレートが2.125%へ上昇。
  • 「5年・125%ルール」は返済急増を抑えるが、金利上昇時は未払利息発生の可能性。
  • 金利選択や借り換えは家計状況次第、専門家への相談が鍵。

金利上昇のニュースが増え、「自分の住宅ローンは大丈夫?」と不安になる方も多いでしょう。元銀行員の視点から補足すると、日銀の政策金利が上がっても、住宅ローンの変動金利が即座に同幅で上がるわけではありません。実際の引き上げ時期や幅は金融機関ごとに異なり、タイムラグもあります。だからこそ、周囲の声に振り回されず、まずは仕組みを正しく知ることが重要です。これから借りる方も、返済中の方も、焦らずに今後の備えを一緒に整理していきましょう。

「変動金利で借りているけれど、このまま返済を続けて本当に大丈夫?」——金利のニュースを目にするたびに、そんな不安がふと頭をよぎる方は多いのではないでしょうか。

金利が動く局面では、こうした声はよく聞かれます。これから住宅ローンを検討する方はもちろん、すでに変動金利で返済中の方にとっても、金利の先行きは気になるテーマでしょう。

変動金利型の住宅ローンは、日本銀行の金融政策や金融機関の基準金利と連動して動く、仕組みの決まった商品です。

感覚的な不安だけで判断するのではなく、まず「なぜ動くのか」「動いたときに何が起きるのか」を押さえておくこと。それが、遠回りに見えて実は判断の近道になるのではないでしょうか。

そこで今回は、変動金利の決まり方の基本から、返済額の急上昇を抑える「5年ルール」「125%ルール」の仕組み、固定金利との違い、借り換えを検討する際の確認ポイントまで、順を追って一緒に整理していきましょう。

変動金利はどうやって決まる?「短期プライムレート」との関係

変動金利型住宅ローンの金利は、多くの金融機関で「短期プライムレート」と呼ばれる基準金利に連動して決まります。短期プライムレートとは、金融機関が信用力の高い企業に短期の資金を貸し出す際の最優遇金利のことです。

日本銀行が公表する政策金利の動きに影響を受けるため、金融政策の変化が回りまわって住宅ローンの金利にも及んでくる、と考えるとイメージしやすいのではないでしょうか。

日本銀行は2026年6月の金融政策決定会合で、短期金利(無担保コールO/N物)の誘導目標を「1.0%程度」に引き上げました(従来は「0.75%程度」)。これを受けて、多くの金融機関が短期プライムレートを引き上げる対応を取っています。

  • 短期プライムレート(主要行):2.125%(2026年6月10日時点。2025年初旬の1.875%から段階的に上昇)

短期プライムレート・長期プライムレートの推移

短期プライムレート・長期プライムレートの推移
出所:日本銀行「長・短期プライムレート(主要行)の推移」をもとにLIMO&ホーム作成

まず確認したいのは、こうした基準金利の動きが、ご自身の借りている(あるいは借りようとしている)金融機関の変動金利にどう反映されるか、という点です。

実際の適用金利や引き下げ幅は金融機関ごとに異なるため、本記事は特定の金融機関や商品をおすすめするものではありません。

具体的な金利水準を比べたい場合は、複数の金融機関の公式サイトで最新の店頭金利・適用金利をあわせて確認しておくとよいでしょう。

返済額が急に増えない仕組み「5年ルール」「125%ルール」とは?

変動金利型住宅ローンには、金利が動いても毎月の返済額がいきなり跳ね上がらないよう、独自の激変緩和ルールが設けられているのが一般的です。代表的なものが、次の2つです。

  • 半年ごとの金利見直し:多くの変動金利型住宅ローンでは、適用金利そのものは半年ごとに見直されます
  • 「5年ルール」:一方で、毎月の返済額は5年間据え置かれ、5年ごとに見直されるのが一般的です
  • 「125%ルール」:返済額を見直す際も、新しい返済額は「見直し前の125%」が上限とされる仕組みが広く採用されています

この2つは、借り手の急な負担増をやわらげてくれる心強い仕組みです。ただし、安心しきってしまう前に知っておきたい注意点もあります。

金利が大きく上昇した局面では、見直し後の返済額の中で利息にあてられる部分が増え、元金の減りが遅くなることがあります。場合によっては、利息の支払いが返済額に追いつかず、「未払利息」が発生する可能性もゼロではありません。

しかも、5年ルール・125%ルールの有無や具体的な内容は、金融機関によって異なります。ご自身の借入先がどのようなルールを採用しているかは、契約時の書面や金融機関への確認が欠かせない、と言えるでしょう。

【元銀行員の視点】変動金利の5年ルール・125%ルールが適用されないケースとは?契約前に確認すべき2つの注意点

変動金利の大きな安心材料となる「5年ルール」と「125%ルール」ですが、知っておくべき重要な注意点が2つあります。まず、これらは「元利均等返済」を選んでいる場合にのみ適用されるルールであり、「元金均等返済」には適用されません。そしてもう一つは、すべての金融機関や住宅ローンに必ずこのルールが付いているわけではないという点です。最近は一部のネット銀行などを中心に、あえてこのルールを設けず、金利上昇をダイレクトに返済額に反映させる商品も増えています。ご自身の契約がどうなっているか、必ず契約書やマイページで確認し、ルールがない場合はより慎重な資金計画を立てておきましょう。

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和田 直子LIMO&ホーム編集部記者/元銀行員株式会社モニクルリサーチ

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