貼り方の基本的な流れ
初めて挑戦する場合も、次の流れを押さえておけば迷いにくくなります。
- ステップ①:採寸 張り替えたい壁の幅・高さを測り、必要な壁紙の量を把握します。
- ステップ②:下地確認・清掃 壁の凹凸や汚れ、既存の壁紙の状態を確認し、表面を清掃します。
- ステップ③:カット 採寸に合わせて壁紙をカットします。継ぎ目部分は少し余裕を持たせておくと安心です。
- ステップ④:貼り付け 地ベラやスムーサーを使いながら、気泡が入らないように密着させていきます。
- ステップ⑤:仕上げ 端の処理をして、はみ出た部分をカッターで整えます。
気泡が入ってしまう、継ぎ目がずれる、下地の凹凸がそのまま浮き出てしまうといったことは、壁紙DIYでよくある失敗です。
下地の清掃と、貼りながら気泡を丁寧に抜いていく作業を丁寧に行うことで、こうした失敗を減らしやすくなります。
初めて挑戦する場合は、一度に部屋全体を張り替えようとせず、まずは目立たない場所や小さな面積で練習してから本番に取りかかると、仕上がりの安定感が出しやすくなります。
小さな子供やペットがいる家庭では、爪や手が触れやすい場所の耐久性も踏まえて壁紙の種類を選ぶとよいでしょう。
賃貸で気をつけたい原状回復のポイント
賃貸で壁紙DIYをする際に気になるのが、退去時の原状回復です。
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」では、賃借人の故意・過失や通常の使用を超える使用による損耗・毀損を復旧することが原状回復の基本的な考え方として示されています。
ただし、このガイドラインはあくまで一般的な目安であり、実際の負担については個々の賃貸借契約や特約の内容が優先されます。
そのため、壁紙DIYを始める前に、まずは賃貸借契約書の特約事項を確認し、可能であれば管理会社や大家に事前に相談しておくと、退去時のトラブルを避けやすくなります。
貼ってはがせるタイプの壁紙であっても、下地の状態によっては跡が残る場合があるため、目立ちにくい場所で試してから本格的に取り入れるのもひとつの方法です。
内装建材の安全面について
壁紙などの内装建材には、シックハウス対策の観点からホルムアルデヒドの発散量に関する規制があります。
国土交通省「建築基準法に基づくシックハウス対策について」によると、建築基準法に基づき、内装仕上げに使用する建材にはホルムアルデヒド発散建築材料としての区分・面積制限が設けられています。
市販されている壁紙の多くはこうした基準を踏まえて製造されているため、過度に心配する必要はありませんが、気になる場合は商品の等級表示を確認しておくとよいでしょう。
まとめ
壁紙DIYは、壁紙の種類ごとの特徴と原状回復のしやすさを踏まえて選び、下地の清掃や気泡を抜く作業を丁寧に行うことで、初めての方でも取り組みやすいテーマです。
部屋の広さや用途に応じて挑戦しやすい場所から始め、慣れてきたら面積の広い部屋やデザイン性の高い壁紙にも広げていくと、無理なく続けやすくなります。
賃貸の場合は契約内容の確認と管理会社・大家への事前相談を忘れずに、ご自宅の状況に合わせて始めてみてください。
部屋全体の雰囲気を思い浮かべて壁紙を選びましょう
ご利用にあたっての注意
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品・サービス・業者の購入や契約を推奨・勧誘するものではありません。記載の内容は執筆時点の目安であり、地域・条件・時期により異なります。賃貸物件での原状回復の可否は個々の契約内容によって異なるため、最新の情報や個別のご事情については、管理会社・大家への確認および公式情報の確認のうえ、ご自身の判断で行ってください。
参考情報
元新聞記者。ガーデニング、インテリア、植物、DIYなどの記事を執筆。華道(池坊 師範科助教・華掌)、フラワーアレンジメントにのべ10年間励み、専門的視点から解説する。一種外務員資格、行政書士試験合格。

華道を続けてきた身として、花器や花材の色をどう組み合わせるかを考える時間が好きなのですが、壁紙の色や柄を選ぶ作業にも、それとよく似た楽しさがあるなと感じています。
部屋の印象は、壁一面の色や質感を変えるだけでがらりと変わることがあり、壁紙は暮らしの「しつらえ」を左右する身近な要素だと思いながら、今回の記事を書きました。とはいえ実際には、賃貸だと退去時の原状回復が気になりますし、初めてのDIYで失敗しないか不安に思う方も多いのではないでしょうか。
記事では、のり付きクロス・貼ってはがせるタイプ・壁紙シールという3つの種類の特徴を、原状回復のしやすさという観点も含めて整理しました。賃貸で手軽に模様替えを楽しみたい方には貼ってはがせるタイプやシールを、持ち家でしっかり張り替えたい方にはのり付きクロスをおすすめしています。部屋一面だけ柄物を取り入れる「アクセントクロス」の考え方や、トイレ・洗面所のような小さな面積から挑戦する方法もご紹介しました。地ベラやスムーサーといった道具の使い方、採寸から下地確認、カット、貼り付け、仕上げまでの手順もステップごとに整理しています。子供部屋のように成長に合わせて模様替えする機会が多い部屋では、貼ってはがせるタイプで気軽に楽しむという考え方もお伝えしました。
賃貸の方に特に丁寧にお伝えしたのが、退去時の原状回復についての考え方です。国のガイドラインはあくまで一般的な目安であり、実際の負担は個々の賃貸借契約や特約の内容が優先されるという点を踏まえ、契約書の確認と管理会社・大家への事前相談を欠かさないようお伝えしました。気泡が入る、継ぎ目がずれる、下地の凹凸が浮き出てしまうといった、よくある失敗例にも触れましたので、事前にひと通り目を通しておくと落ち着いて作業を進められるはずです。内装建材のホルムアルデヒド規制についても事実に基づいて触れていますので、過度に不安にならず読み進めていただけると思います。
華道で花や器の色を選ぶときのように、部屋全体の雰囲気を思い浮かべながら、無理のない範囲で壁紙DIYを楽しんでいただけたら嬉しいです。小さな子供やペットがいるご家庭では、耐久性も踏まえて壁紙を選んでいただけたらと思います。