湿気・カビ対策を忘れずに
階段下収納は建物の構造上、空気がこもりやすい場所です。換気が不十分だと湿気の逃げ場がなくなり、収納物にカビや臭いが発生する原因になります。
国土交通省「住宅等における換気等に関する情報提供について」によると、シックハウス対策の観点から住宅には原則として機械換気設備の設置が義務づけられており、こうした住宅全体の換気の仕組みも踏まえたうえで、収納空間ごとの対策を考えることが大切です。
建築基準法における「換気」に関する規定(法第28条)
具体的には、除湿剤を設置する、天気のよい日に扉を開けて空気を入れ替える、物を詰め込みすぎず空気の通り道を残す、といった対策が挙げられます。
書籍や衣類、食品など湿気に弱い物の長期保管は避け、定期的に中身を見直す習慣をつけると、カビや臭いの発生を抑えやすくなります。押し入れ収納の湿気・カビ対策については別記事で紹介しています。
階段下の「土間収納」との違い
戸建てでは、階段下を床を上げずに土間のまま収納スペースとして使う「土間収納」も選択肢のひとつです。
靴を履いたまま出入りできるため、アウトドア用品やベビーカーなど、床を汚したくない物の収納に向いています。
一方で通常の階段下収納のように棚を細かく設置しにくい場合もあるため、収納したい物の種類に応じてどちらの形にするかを検討するとよいでしょう。
新築・リフォームの計画段階であれば、間取りに合わせて土間収納にするか、棚を中心とした収納にするかを早めに決めておくと後悔しにくくなります。
よくある失敗例
階段下収納でありがちな失敗は、奥行きの深さを活かそうとして物を詰め込みすぎ、結果的に奥の物が取り出せなくなってしまうケースです。
また、湿気対策を後回しにしたまま衣類や書籍をしまい込み、気づいたときにはカビが発生していた、という声も少なくありません。
収納量には余裕を持たせ、定期的に中身を見直すことが、使い続けられる階段下収納のポイントです。
まとめ
階段下収納は、奥行きや天井高の変化という空間の特徴を踏まえて収納アイテムを選び、目隠しの工夫でおしゃれに見せつつ、湿気・カビ対策や備蓄品の保管まで意識することで、持て余しがちな空間を使いやすい収納スペースに変えられます。
ご自宅の階段下の形状や収納したい物に合わせて、無理のない範囲から取り入れてみてください。
階段下収納は「詰め込みすぎない」のがポイント
ご利用にあたっての注意
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品・サービス・業者の購入や契約を推奨・勧誘するものではありません。記載の費用・仕様は執筆時点の目安であり、地域・条件・時期により異なります。最新の情報や個別のご事情については、公式情報の確認のうえ、ご自身の判断で行ってください。
参考情報
元新聞記者。ガーデニング、インテリア、植物、DIYなどの記事を執筆。華道(池坊 師範科助教・華掌)、フラワーアレンジメントにのべ10年間励み、専門的視点から解説する。一種外務員資格、行政書士試験合格。
書道を12年ほど続けてきた身として、日頃から「余白」の使い方には人一倍敏感になっているところがあります。
文字を詰め込みすぎた作品よりも、適度な余白があるほうが美しく見えるように、収納も同じで、すべての隙間を物で埋めてしまうと、かえって使いにくく息苦しい空間になってしまうものだと感じています。
階段下のような変形スペースは、まさにその「余白の設計」が問われる場所だと思いながら、今回の記事をまとめました。
記事では、階段下ならではの奥行き・天井高の変化を踏まえたうえで、既製の収納棚を組み合わせる方法、造作棚のリフォーム、可動棚のDIYという3つの選択肢を、それぞれのメリットや向いている人のイメージとあわせて紹介しました。
まずは空間の奥行き・高さ・入口幅を採寸するところから始めると、どの方法が向いているか判断しやすくなります。奥の物が取り出しにくくなりがちな点には、手前と奥で物の出し入れ頻度を変える、キャスター付きの収納を活用するといった工夫を、湿気・カビ対策には除湿剤の設置や定期的な換気、詰め込みすぎない収納量の目安といった具体的な方法をお伝えしています。扉やカーテンで目隠しをして生活感を抑える工夫にも触れましたので、収納力とすっきりした見た目の両方を叶えたい方に参考にしていただけるのではないかと思います。
さらに、奥行きのある階段下は普段あまり出し入れしない場所でもあるため、災害時の備蓄品の保管場所としても活用しやすいという点にも触れました。古いものから手前に置き、持ち出しやすい位置にまとめておくといった工夫も、いざというときの安心につながります。ふだん使わない収納だからこそ、いざというときの備えを兼ねられるというのは、階段下ならではの活かし方かもしれません。
階段下収納は、詰め込みすぎず、少し余白を残しておくくらいがちょうどよいのかもしれません。書の稽古で余白を大切にしてきたように、収納も“埋め尽くさない”ことを意識するだけで、見た目にも使い勝手にもゆとりが生まれます。ご自宅の階段下の形やしまいたい物に合わせて、できるところから少しずつ整えていっていただければと思います。