サッシとガラスで断熱性能は大きく変わる
窓選びで見落としがちなのが、サッシ(枠)とガラスの仕様です。
国土交通省は2025年4月以降に着工する住宅について省エネ基準への適合を義務化しており、窓についても「熱の出入りが大きく、熱が逃げやすい窓には樹脂製サッシやLow-E複層ガラスなどを取り入れます」と説明しています(2026年8月時点)。
サッシにはアルミ、アルミと樹脂の複合、オール樹脂などの種類があり、一般に樹脂の割合が高いほど熱を伝えにくくなります。
ガラスも複層ガラス、Low-E複層ガラス、トリプルガラスと段階があり、組み合わせ次第で同じ大きさの窓でも断熱性能は変わります。カタログでは熱貫流率(Uw値)という数値で示されるので、迷ったときは数値で比べると判断しやすくなります。
ただし高性能な仕様ほどコストは上がります。すべての窓を最上位の仕様にするのではなく、長い時間を過ごすリビングや寝室は性能を上げ、滞在時間の短い場所は標準仕様にするなど、めりはりをつける考え方が現実的です。
求められる性能は地域の気候区分によっても異なるため、実際の仕様は施工会社やサッシメーカーの公式資料で確認しておくと安心です。
結露や防犯の対策も設計段階で織り込む
住み始めてからの困りごととして多いのが結露です。結露は室内の水蒸気が冷えた面で水に変わる現象で、断熱性能の低い窓ほど起こりやすくなります。
窓の仕様を上げることに加えて、窓の前に背の高い家具を置かない、換気の計画とあわせて考えるといった対策も、設計段階なら間取りに反映しやすいです。
防犯面も窓と切り離せません。警察庁は住宅を対象とした侵入犯罪の対策として、窓や出入り口の対策を呼びかけています(2026年8月時点)。
侵入窃盗の侵入手口
侵入窃盗の侵入口
人目につきにくい位置の窓は面格子やシャッター、防犯合わせガラスなどを検討し、あわせて足場になりやすい物置やエアコンの室外機の配置も見ておくと安心です。
結露も防犯も、後から対策すると内窓の追加や部分工事が必要になり、費用がかさみがちです。窓の位置と大きさを決める段階で「この窓は冬に冷えないか」「外から入りやすくないか」を一度確認しておくと、住んでからの後悔を減らせますよ。
窓のサイズと数は掃除のしやすさまで考える
窓は決めた位置と大きさのまま長く使う設備なので、日々の手入れのしやすさも判断材料になります。
高い位置の窓や吹き抜けの窓は、明るさを取り込める一方で、掃除やガラスの拭き上げに脚立が必要になることもあります。手が届く範囲かどうかを図面の段階でイメージしておくと、住んでからの負担を抑えられます。
サイズについても、規格のサイズから選ぶのか、特注にするのかで金額が変わります。網戸やカーテン、ブラインドといった付属品も窓の大きさに比例して費用が増えるため、窓そのものの価格だけで判断しないことが大切です。
開閉頻度の低い場所は小さめにする、逆に洗濯物を出し入れする動線上は大きめにするなど、生活動線と合わせて決めると納得感のある選択になりますよ。
まとめ
窓は「多ければ・大きければ良い」というものではありません。プライバシーや家具配置・コスト・使い勝手まで考えて計画することで後悔の少ない家づくりに繋がります。
この記事で挙げたポイントを意識してぜひ検討してみてくださいね。
窓は建築確認申請後は変更が難しいため、図面だけで判断せず、ショールームや3Dパースで立体的なイメージまで確認しておくことをおすすめします。
参考情報
インテリアライター。後悔しない家づくりのポイント、施主目線での実体験など、住まいやインテリアに関連する記事を多数執筆。Instagramでも脱生活感を目指す部屋づくりを発信中している。2児の母。
