真夏もキレイな花を長く楽しむ!実際に研究所のガーデンで咲き続けるフェアリースターなど「ローメンテで育てやすい花たち」&「プロの手入れ術」
画像提供:サントリーフラワーズ株式会社
ガーデニング

真夏もキレイな花を長く楽しむ!実際に研究所のガーデンで咲き続けるフェアリースターなど「ローメンテで育てやすい花たち」&「プロの手入れ術」

サントリーフラワーズの研究所にききました!初心者におすすめの3品種も

真夏もキレイな花を長く楽しむ!実際に研究所のガーデンで咲き続けるフェアリースターなど「ローメンテで育てやすい花たち」&「プロの手入れ術」
画像提供:サントリーフラワーズ株式会社

この記事はここがポイント

  • 猛暑を乗り切るカギは「蒸れへの耐性」。人気品種は炎天下の「花がら摘み」も基本不要
  • 水やりは「鉢植えはたっぷり、地植えは軽く」。ホース内のぬるま湯や土の温度上昇に要注意
  • 夏バテした花に「肥料控え」はNG。プロが実践する“薄めた液肥を毎日”で長く美しく保つ

夏の厳しい暑さで、庭やベランダで育てている植物が、弱ってしまった経験はありませんか。年々厳しさを増す日本の夏をどうやって越すのか、水やりや手入れに悩む人は少なくありません。

そこで、「フェアリースター」「キャンディスパークル」など人気品種を数多く手がけるサントリーフラワーズ。その開発部で品種開発に携わる友松康一さんに、真夏の庭仕事のポイントをおききました。水やりの頻度やマルチングのコツ、花がら摘みや切り戻しの必要性、肥料の与え方まで、プロならではの視点を交えつつ、教えていただきました。今年2026年も、連日の猛暑にも負けず、色鮮やかな花々が咲き誇るサントリーフラワーズの研究所にあるガーデンの美しい写真とともに紹介していきますね。

※本記事で紹介する内容は取材時点(2026年9月11日)の情報です。植物の状態は気候や地域によって異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
※写真はすべてサントリーフラワーズ株式会社提供です。

日本の猛暑でも元気に長く咲き続ける花。その共通点は「蒸れへの耐性」

今回お話を伺ったサントリーフラワーズ友松康一さん

今回お話を伺ったサントリーフラワーズ友松康一さん

――過酷な暑さの中でも、サントリーフラワーズのガーデンで、特に元気に咲いている植物の様子を教えてください。

友松さん:
滋賀県にあるサントリーフラワーズのガーデンは、梅雨明けから7月下旬にかけては、本当に厳しい暑さでしたが、それでも元気に咲き続けてくれた品種がいくつもありました。次の花たちが元気でしたね。

【梅雨明け〜7月下旬でも元気に咲き続けたサントリーフラワーズの品種リスト】

  • サフィニアプレミアム、サフィニアプチ(ペチュニア)
  • クライミングサンパラソル(マンデビラ)
  • フェアリースター、キャンディスパークル、サニープリンセス(ニチニチソウ)
  • サンク・エール、スターティアラ(スカエボラ)
  • サマーミスト(トレニア)
  • フォーカルポイント(ベゴニア)

冬越しした株では、星空マム(ブラキカム)が7月中旬になってもまだ咲き続けていました。いずれも高温多湿の環境に強く、蒸れによるダメージを受けにくいのが共通点です。

ニチニチソウ「フェアリースター」

ニチニチソウ「フェアリースター」
ニチニチソウ「フェアリースター」(写真提供:サントリーフラワーズ)

ニチニチソウ「キャンディスパークル」

ニチニチソウ「キャンディスパークル」
ニチニチソウ「キャンディスパークル」(写真提供:サントリーフラワーズ)

スカエボラ「サンク・エール」

スカエボラ「サンク・エール」
スカエボラ「サンク・エール」(写真提供:サントリーフラワーズ)

スカエボラ「スターティアラ」

スカエボラ「スターティアラ」
スカエボラ「スターティアラ」(写真提供:サントリーフラワーズ)

マンデビラ「クライミングサンパラソル」

マンデビラ「クライミングサンパラソル」
マンデビラ「クライミングサンパラソル」(写真提供:サントリーフラワーズ)

ニチニチソウ「サニープリンセス」

ニチニチソウ「サニープリンセス」
ニチニチソウ「サニープリンセス」(写真提供:サントリーフラワーズ)

プロが実践する「真夏の水やり」――地植えと鉢植えで変える理由

7月下旬ガーデンのフォーカルポイント。葉色も美しいです

7月下旬ガーデンのフォーカルポイント。葉色も美しいです

――地植えと鉢植え、それぞれの水やりの頻度やタイミングを教えてください。マルチングのメリットやコツ、鉢植えの土の温度上昇を防ぐ工夫もあれば。

友松さん:
水やりの基本は、地植え・鉢植えともに早朝と夕方の2回です。鉢植えはたっぷりと、花壇は花がしおれる前に全体を軽く濡らす程度にとどめるのがコツですね。
マルチングは、マルチバークで花壇の土を覆うことで雑草を防ぎ、土からの蒸散も抑えられます。植え込みの際は、苗をしっかり土に植えたうえで表面を覆うのがポイントで、バークの上に直接植えないよう気をつけてください。

鉢植えの株元にたっぷりと水を与える友松さん

鉢植えの株元にたっぷりと水を与える友松さん
鉢植えの株元にたっぷりと水を与える様子

鉢植えでは、通気性の良い土を選び、鉢を地面から少し浮かせて底に空気が通る隙間をつくることで、土の温度上昇による根腐れやムレを防げます。ホース内に溜まって温まった水(ぬるま湯)をそのまま使わないことや、日当たりの良い場所では陶器製の鉢を選ぶことも工夫の一つです。ハダニが発生しやすい品種は、鉢への水やりに加えて株全体にも水をかけるといいですよ。

「花がら摘みは意外と不要」の理由、切り戻しのベストタイミング

ニチニチソウの中でもフェアリースターは、基本「花がら摘み」は不要とのこと

ニチニチソウの中でもフェアリースターは、基本「花がら摘み」は不要とのこと
7月下旬ガーデンで満開に咲くフェアリースター

――本当に「花がら摘み」はしなくても大丈夫なのでしょうか?

友松さん:
サントリーフラワーズの花たちは、地植えにしている場合は「花がら摘み」は、基本的に不要です。もちろん品種によって対応は変わります。
ペチュニアは花がらを無理に摘まず、満開後の切り戻しで整理すれば問題ありません。
一方、マンデビラは花が大きくカビの原因になりやすいので、花がら摘みをしたほうがいいですね。
ニチニチソウは品種によって異なります。「フェアリースター」「キャンディスパークル」は不要ですが、「サニープリンセス」は花が大きくカビの原因になりやすいので摘んだほうがいいです。
スカエボラ、トレニア、ベゴニア、ブラキカムは、いずれも花がら摘みは不要ですよ。

7月下旬ガーデンで満開に咲くサフィニアプチ(ペチュニア)

7月下旬ガーデンで満開に咲くサフィニアプチ(ペチュニア)
7月下旬ガーデンで満開に咲くサフィニアプチ

――夏場の「切り戻し」は、いつ、どのくらいのタイミングで行うのがベストですか?

友松さん:
鉢植えのペチュニアなら、満開を楽しんだ後に行うと蒸れを避けられます。
マンデビラは地植え・鉢植えともに切り戻し不要。
ニチニチソウは鉢植えでも特に切り戻しは不要ですが、草姿が乱れてきたら整える程度にしてください。8月に鉢周りで強めの切り戻しを行うと10月ごろまで美しい状態を保てますが、切ってから3〜4週間ほどは花数が減る点は覚えておいてほしいですね。
スカエボラは地植えの場合、切り戻しは不要です。

肥料は「控えるより、薄く毎日」。害虫対策の見極め方

サントリーフラワーズのガーデンにて

サントリーフラワーズのガーデンにて

――夏バテ気味の植物に肥料はあげるべきですか?それとも控えるべきですか?高温多湿の時期に気をつけたい病気や害虫、その予防策があれば教えてください。

友松さん:
肥料はしっかり与えたほうがいいですよ。うちのガーデンでは、市販の液体肥料の週1回分の推奨濃度をもとに、その3分の1程度に薄めたものを毎日与えていて、満開以降は月1回程度、固形肥料を追加しています。
害虫については、アブラムシは花が急に減ったり、株の勢いが落ちたり、白い粉状のごみが見えたりするのが発生のサインです。手で直接取り除くのも効果が早いですし、市販の殺虫剤(液体・固形)を使う方法もあります。予防としては、殺虫成分入りの固形剤を、1〜2か月に1回株元に施すと発生を抑えられますよ。ナメクジには市販の忌避剤や殺ナメクジ剤を。晴天が続くとベランダなどで急に増えやすいハダニは薬が効きにくいので、被害の出た葉を取り除いて葉水を行うのがおすすめです。
食害を受けた葉の傷みは元に戻らないので、早めの対処が大事ですね。

開発者が明かす「最初の1株」におすすめの品種

――最後に、友松さんご自身のおすすめや、初心者向けの品種を教えてください。

友松さん:
今回のお話のなかでも紹介した「フェアリースター」「サマーミスト」「星空マム」の3品種ですね。
「フェアリースター」「サマーミスト」は暑さに強く、とにかく失敗しにくい花です。プランターで育てる場合、サマーミストは水切れに注意し、フェアリースターは水のあげすぎによる土の蒸れ(過湿)に気を付けて乾燥気味に育てれば、夏の間ずっと美しい花を楽しめます。
「星空マム」は地植えであれば冬越しをして翌年7月まで花を楽しめるうえ、大きく育たないので寄せ植えにも使いやすいのが魅力ですね。

サントリーフラワーズのガーデンに咲くフェアリースター(手前)

サントリーフラワーズのガーデンに咲くフェアリースター(手前)
サントリーフラワーズのガーデンにて

7月下旬ガーデンのサマーミスト。ブルーが涼やかです

7月下旬ガーデンのサマーミスト。ブルーが涼やかです
7月下旬ガーデンのサマーミスト。ブルーの花が涼やかです

星空マム

星空マム

今回お話を伺ったのは……

水やりをする友松さん

水やりをする友松さん

友松康一(ともまつ・こういち)さん

サントリーフラワーズ株式会社 開発部。花のブリーダーとして「フェアリースター」「キャンディスパークル」などの品種開発を手がける。

浦中 千里
執筆者浦中 千里LIMO&ホーム編集部記者/ガーデニング・DIY担当/第二種電気工事士株式会社モニクルリサーチ

取材後のまとめコメント

今回は、サントリーフラワーズの友松さんに、猛暑を乗り切るための花のお手入れのコツから、初心者におすすめの品種まで、さまざまなお話を伺いました。
「蒸れへの耐性」で選ぶ品種の見極め方、地植え・鉢植えで使い分ける水やりの工夫、そして「花がら摘みは意外と不要」「肥料は控えるより薄く毎日」という、暑い夏にローメンテで花々を楽しむための経験に基づいたリアルな知見が印象的でした。
夏の暑さが年々厳しくなるいまだからこそ、正しいお手入れで花を長く楽しみたいですね。

取材協力

浦中 千里
LIMO&ホーム編集部記者/ガーデニング・DIY担当/第二種電気工事士株式会社モニクルリサーチ
鈴森 真樹
LIMO&ホーム編集部記者 樹木医/1級造園施工管理技士/ライター

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