この記事はここがポイント
- ドライフラワーは花束を逆さにして日陰で1~2週間乾燥させる吊るし干しが基本。
- 長持ちさせるには直射日光と高湿度を避け、約1年での入れ替えを検討すること。
- 水分量の少ない花材が適し、不十分な乾燥はカビや虫の原因となるため注意。
もらった花束や庭で咲いた花を、枯れさせるだけで終わらせたくない——そう感じたことはありませんか。「ドライフラワーに挑戦したいけれど、作り方や飾り方が分からない」という声もよく耳にします。
華道やフラワーアレンジメントを長く続けてきた経験からすると、生花とはまた違う魅力がドライフラワーにはあります。
色や質感が変化していく過程も含めて楽しめるのが、この飾り方のよさだと感じています。
今回は、ドライフラワーの基本的な作り方から、場所別の飾り方の実例、長持ちさせるための注意点まで、順を追ってご紹介します。
華道やフラワーアレンジメントを長く続けてきた身としては、生花とはまた違う色や質感の変化を楽しめるドライフラワーの魅力に、日々あらためて気づかされます。花束をそのまま枯らして終わらせるのはもったいないと感じる方も多いのではないでしょうか。今回は、吊るし干しの基本の作り方から、向く花・向きにくい花の見分け方、場所別の飾り方、そして長持ちさせる保管のコツまで整理しました。
なぜドライフラワーインテリアが人気なのか
芸能・ライフスタイル系の情報を長く追いかけてきた立場から見ても、ドライフラワーインテリアの広がり方には特徴があります。
SNSや動画で「花のある暮らし」が紹介されることをきっかけに、「自分の部屋にも取り入れたい」という関心が広がってきた経緯があり、特定のブランドやショップが主導したというより、個人の暮らし方の発信から広まった傾向という色合いが強いテーマです。
生花のように水替えの手間がかからず、日持ちを気にせず飾れる点も、忙しい暮らしの中で花を楽しみたいという関心と相性がよいのだと感じています。
決まった型があるわけではなく、それぞれの暮らしに合わせて取り入れる度合いを調整してよい、というのが実情です。
ドライフラワーの基本的な作り方
ドライフラワーを作る方法にはいくつかありますが、もっとも手軽なのが吊るし干しです。
- 花束や茎をまとめ、輪ゴムやひもで束ねる
- 風通しがよく、直射日光の当たらない場所に逆さまに吊るす
- 1〜2週間程度を目安に、花びらや茎がカサカサになるまで乾燥させる
このほか、乾燥剤(シリカゲル等)に埋めて乾燥させる方法もあり、花の形をより自然に近い状態で残しやすいとされています。手間はかかりますが、立体感のある花を作りたい場合に向いた方法です。
逆さに吊るすのは、水分が茎から花に向かって均等に抜けていくことで、花びらの形が崩れにくくなるためだといわれています。
束ねる本数が多すぎると内側に湿気がこもりやすくなるため、一束あたりの本数は少なめにし、複数の束に分けて吊るすときれいに仕上がりやすくなります。
複数の花をまとめて束ね、そのまま壁に吊るして飾る「スワッグ」も、ドライフラワーインテリアの定番の楽しみ方です。
作り方の基本は吊るし干しと同じで、乾燥させたあとにリボンやひもで結び直し、そのまま壁掛けとして仕上げる形になります。
ドライフラワーに向く花・向きにくい花
すべての花がドライフラワーに向いているわけではなく、一般的には次のような傾向があるといわれています。
- 向きやすい花:かすみ草、ラベンダー、スターチスなど、水分量が少なく花びらが薄い花
- 乾燥に時間がかかる花・向きにくい花:バラの大輪、チューリップなど水分量の多い花
水分量の多い花は、乾燥の途中でカビが発生しやすいこともあるため、風通しのよい場所を選び、束ねる本数を少なめにするなどの工夫をするとよいでしょう。
葉が多い花材は、乾燥に時間がかかるだけでなく、乾燥後に葉が落ちやすくなる傾向もあります。
あらかじめ余分な葉を取り除いてから吊るすと、仕上がりがきれいになりやすいといわれています。
庭で育てた花やもらった花束の場合、品種が分からないこともありますが、まずは少量を試しに乾燥させてみて、様子を見ながら本数を増やしていく進め方も一つの方法です。
場所別の飾り方の実例
ドライフラワーは、飾る場所によって印象や工夫の仕方が変わります。
ドライフラワーの飾る場所
「たくさん飾る」よりも、色数や本数を絞って余白を残すほうが、すっきりとした印象になりやすいと感じています。書道や華道で"間"を意識してきた感覚とも重なる部分です。
壁掛けで飾る場合は、フレームに入れて壁に立てかける方法や、ワイヤーやフックを使って吊るす方法があり、壁を傷つけたくない場合は、両面テープタイプのフックなど、原状回復のしやすい道具を選ぶという工夫も考えられます。
賃貸住まいの場合は、壁への穴あけが可能かどうかを事前に確認しておくと安心です。
長持ちさせるための保管のコツ
ドライフラワーは生花と違って水やりの手間はありませんが、長持ちさせるためにはいくつかの注意点があります。
- 直射日光を避ける:色あせが進みやすいため、窓際など日差しの強い場所は避ける
- 高湿度を避ける:湿気の多い場所ではカビが発生しやすくなる
- ホコリを溜めない:柔らかい素材のブラシなどで、たまにホコリを払う
色あせや多少の劣化は、ドライフラワーならではの経年変化であり、生花のように急に枯れるものではありません。少しずつ変化していく色味を楽しむという捉え方も、この飾り方の魅力の一つだと感じています。
キッチンや洗面所など水回りの近くは湿気がこもりやすいため、飾る場所としてはあまり向いていないとされています。エアコンの風が直接当たる場所も乾燥や型崩れの原因になることがあるため、風の通り道を避けて飾ると状態を保ちやすくなります。
1年ほど経って色あせや型崩れが気になってきたら、無理に保管を続けず、新しい花材に入れ替えるのも一つの区切り方です。
風水的な言い伝えについて
ドライフラワーを調べていると、「風水的によくない」といった話を目にすることもあります。
こうした風水の考え方は、生活文化・言い伝えの一つであり、効果や影響が科学的に検証されたものではありません。
気になる方が、飾る際の一つの目安として参考にする分には差し支えありませんが、断定的な情報として受け止めすぎず、ご自身が心地よいと感じるかどうかを基準に考えていただくのがよいでしょう。
季節や好みに合わせた楽しみ方
ドライフラワーは、季節の花や思い出のある花束を長く楽しめるのも魅力です。
- 誕生日や記念日にもらった花束を、少しずつドライフラワーにして残す
- 庭で育てた花を摘み取り、季節ごとに束ねて飾る
- 複数の花をミックスして、季節感のあるスワッグを作る
「必ずこう作らなければいけない」という決まりはなく、好みや手元にある花に合わせて、無理のない範囲で楽しむとよいでしょう。
書道や華道でも、季節ごとに道具やしつらえを変えることで、暮らしに変化を持たせてきました。ドライフラワーも同じように、季節の花を少しずつ加えていくことで、部屋の表情を変えていく楽しみ方ができると感じています。
虫がつかないようにする工夫
ドライフラワーは、しっかり乾燥させていない状態で飾ると、小さな虫が発生することがあるといわれています。
- 吊るし干しの段階で、カサカサに完全に乾くまで十分な時間をかける
- 湿度の高い季節は、乾燥期間を長めに見積もる
- 飾ったあとも、時々状態を確認し、湿気を感じたら風通しのよい場所に移す
しっかり乾燥させることが、見た目の美しさだけでなく、虫やカビを防ぐうえでも大切なポイントになります。
まとめ
ドライフラワーインテリアは、吊るし干しなどの基本の作り方を押さえ、向く花・向きにくい花の傾向を知ったうえで、場所に応じた飾り方を工夫することで、無理なく楽しめます。
直射日光や湿気を避けて保管すれば、色味の変化も含めて長く楽しめるのがこの飾り方の魅力です。ご自宅の状況や好みに合わせて、花のある暮らしを取り入れてみてはいかがでしょうか。
自分の暮らしに会った花のある暮らしを
ご利用にあたっての注意
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品・サービス・業者の購入や契約を推奨・勧誘するものではありません。紹介した作り方・飾り方の傾向は一般的なものであり、花の種類や環境によって結果は異なります。風水に関する内容は生活文化上の言い伝えであり、効果を保証するものではありません。
元新聞記者。ガーデニング、インテリア、植物、DIYなどの記事を執筆。華道(池坊 師範科助教・華掌)、フラワーアレンジメントにのべ10年間励み、専門的視点から解説する。一種外務員資格、行政書士試験合格。
自分でも植物を育てているので、花を最後まで枯らさずに残せるドライフラワーの楽しみを私自身も実践しています。花束をいただいたときに、水切りをして生けて終わりにするのではなく、少しずつ色が変わっていく過程まで楽しめるのは、生花にはない魅力だと感じます。摘み取った花を束ねる時間も、ちょっとした癒やしのひとときになっています。
今回の記事では、もっとも手軽な吊るし干しの手順から、かすみ草やラベンダーのように向きやすい花、逆にバラの大輪のように乾燥に時間がかかる花の傾向まで整理しました。束ねる本数を少なめにして風通しをよくするという工夫は、実際にドライフラワーを作るときにも意識しているポイントで、仕上がりのきれいさやカビの防止に関わってくる部分だと感じています。複数の花をまとめて壁に飾る「スワッグ」の作り方もあわせて紹介しました。乾燥剤を使う方法にも触れていますが、立体感のある花に仕上げたいときに向いていると感じます。
場所別の飾り方や、直射日光・湿気を避けるといった保管のコツにも触れました。玄関はスワッグ、リビングは花瓶やかごにまとめて、寝室は小さめの一輪挿しでというように、飾る場所によって量や形を変えるという考え方は、書道や華道で"間"を大切にしてきた感覚とも重なる部分があります。たくさん飾るよりも、色数や本数を絞って余白を残すほうが、部屋の印象がすっきりとまとまりやすいというのは、実感としてもうなずけるところです。虫やカビを防ぐために、しっかり乾燥させてから飾るという基本も、あらためて大切にしたいポイントだと感じました。色あせや型崩れが気になってきたら、無理に保管を続けず新しい花材に入れ替えるという考え方も、気負わず続けるコツだと思います。
華道やフラワーアレンジメントを続けてきた身としても、この記事を通して花のある暮らしの楽しみ方が少しでも広がればうれしいです。ご自宅にある花束や庭の花で、まずは少量から試してみてはいかがでしょうか。