この記事はここがポイント
- 春や秋は植え替えや剪定に適した時期。不要な株や枝が出たら、株分け・挿し芽にトライするのもおすすめです
- 株分けは根ごと分け、挿し芽は枝や茎を切って土に挿します。どちらも過ごしやすい時期におこなうのがコツ
- 成功率を上げるカギは、清潔な刃物・発根促進剤・多めに作ること。ポトスなど増やしやすい3種も紹介
秋は観葉植物の植え替えや剪定に適した季節。寒くなると植物の成長が鈍くなり、植え替えや剪定によるダメージが残りやすいため、冬が来る前に終わらせておくのが理想的です。
もしも植え替えや剪定の際に不要な株、または枝が出たら株分けや挿し芽にトライしてみるのもオススメ。
そこで今回は、株分けや挿し芽で増やす基本手順と成功率を上げるポイント、あわせて増やしやすい観葉植物を紹介します。観葉植物を育てている人はぜひ参考にしてください!
※品種登録された植物を株分けや挿し芽で増やして、他人に譲渡したり販売したりすることは、種苗法で禁止されています。あくまで自分で楽しむという目的に限定して楽しんでくださいね。
観葉植物の株分け・挿し芽の方法や時期と成功率を上げるポイント
観葉植物の株分け・挿し芽とは
観葉植物の増やし方、2つの基本
観葉植物を増やす方法はいくつかありますが、多くは株分け、または挿し芽でおこないます。それぞれの違いを見てみましょう。
- 株分け…株を根ごと分けて、それぞれ別の鉢で成長させる方法。 根から複数の芽を出す植物が適しています。
- 挿し芽(挿し木)…本体の枝や茎、葉を切りとり、土に挿して発根させる方法。
どちらが適しているかは観葉植物の種類によって異なります。
株分け・挿し芽に適した時期
観葉植物の株分けや挿し芽は生育期である春か秋に行います。
多くの観葉植物は、気温が低い時期や高すぎる時期は発根しにくいため、過ごしやすい気候の時に行いましょう。
株分け・挿し芽に必要な道具
株分けや挿し芽に必要な道具は次のようなものです。
【株分け】
- 観葉植物用の培養土(未使用のもの)
- 切れ味がいい清潔なハサミ、カッター
- 植え替え用の鉢・鉢底ネット・鉢底石
【挿し芽】
- 挿し芽・種まき用土など、肥料分の入っていない土(未使用のもの)
- 切れ味がいい清潔なハサミ、カッター
- 植え替え用の鉢・鉢底ネット・鉢底石
- 割りばし(土に穴を開けるため)
- 発根促進剤(なくても良いが、あると成功率が上がる)
園芸店やホームセンター、100均などで購入できます。自宅にあるものを使うときは未使用、またはきれいな状態のものを使用しましょう。
株分けのやり方
- 株分けの数日前から水やりを控え土を乾燥させておく
- 植物を土から取り出し、古い土を落とす
- 伸びすぎている根、傷んでいる根は切り落とす
- 残った根を広げ、手で株を分ける(難しい場合は清潔なはさみで切り分ける)
- 新しい鉢に鉢底ネット・鉢底石・半分ほどの土を入れ、株をおいて高さを調節しながら土を足していく
- たっぷり水やりをし、2週間ほど明るい日陰で管理する
挿し芽のやり方
- 状態がよい茎を選び、先端から10~15センチのところ(節目がある植物は2~3節目)をカットする
- 上部の葉を2~3枚残し、下部の葉は取り除く
- カットした部分を1時間ほど水に浸す(あれば、発根促進剤を適量入れた水)
- 鉢に鉢底ネット・鉢底石・土を入れ、水やりをして湿らせる
- 割り箸で土に穴をあけ、カットした芽を植える(うまくいかないときは割りばしと茎を一緒に土に挿し、割りばしだけ抜くと植えやすい)
- 明るい日陰に2~3週間ほどおいて発根を促す
成功率を上げる3つのポイント
株分けや挿し芽をするときには、以下のことに気を付けておくと成功率が格段にアップします。
切れ味が良い清潔な刃物を使う
切断した部分が潰れてしまうと発根しにくくなり、また雑菌がついた状態で使うと病気にかかりやすくなります。刃物類は事前に切れ味を確認し、しっかり洗って消毒してから乾かしておきましょう。
発根促進剤を使う
発根促進剤は根の成長を促すのに重要なアイテム。
商品によって希釈濃度や使用頻度など使い方が異なるので、あらかじめ使用方法と使用上の注意を確認しておきましょう。
多めに苗を作っておく
どんなに気を付けていても、気温や湿度の関係で発根しない、または発根しても育たないことがあります。
確実に増やしたい場合は状態の良いものをいくつか選び、多めに株分け・挿し芽をしておきましょう。
観葉植物を増やして楽しむ!初心者でも成功しやすい観葉植物3選
ポトス
ポトス
ポトスは増やしやすい観葉植物の定番です。
育てているポトスをよく観察し、茎の途中に白〜茶色っぽい根(気根)がついていれば挿し芽で増やすのがオススメ。
気根がなくても根元から複数の芽(茎)が出ていれば株分けで増やせます。
カットした芽は水栽培で育てることもできますよ。
モンステラ
モンステラ
エキゾチックな雰囲気と生育旺盛な性質が魅力のモンステラ。
株分け・挿し芽のどちらでも増やすことができ、比較的成功率も高めです。
増やす際は気根がついている茎を選ぶようにしましょう。
ガジュマル
ガジュマル
まるで太もものような太い幹がチャームポイントのガジュマル。
剪定で切った枝は挿し芽(挿し木)で増やすことができます。
本株のように太い幹にはなりませんが、ひと味違うスリムなガジュマルの姿が楽しめますよ。
まとめ
部屋をオシャレにしてくれるだけでなく、増やして楽しめるのも観葉植物の魅力。
本記事で紹介した植物以外にも、ヘデラやサンスベリア、カネノナルキなども比較的簡単に増やして楽しめます。
少し面倒な手順もありますが、実際にやってみると小さな苗が育っていく様子にきっと心を動かされるはず。
ぜひ本格的に寒くなる前に観葉植物の株分け・挿し芽にチャレンジしてみてくださいね。
私も毎年株分けや挿し芽をしていますが、お気に入りの観葉植物を増やして、新しい苗が大きく育っていく様子を見るのはとても楽しいです。きちんと発根して育ってくれるのか、無事育ったらどこに飾ろうかとワクワクする気持ちも、植物を育てているからこその醍醐味だと思っています。
今回ご紹介した3つの植物は、初めて株分けや挿し芽に挑戦する方でも比較的成功しやすい観葉植物。育てている方はぜひ、増やす楽しみも味わってみてはいかがでしょうか?
樹木医、1級造園施工管理技士。テーマパークの植栽管理業務に7年間従事し、植物のメンテナンスや樹木診断、空間演出に携わる。現在はくらしとお金の経済メディア「LIMO」にてガーデニングおよびアウトドア分野の記事執筆・監修を担当。