この記事はここがポイント
- 玄関収納は、置き型・壁面・造作・土間収納の形態から、広さや収納量で選択が肝要
- 狭い玄関は壁面活用で動線を確保し、臭い・湿気対策と鍵・宅配物の防犯配慮が肝心
- まず収納物を分類し置き場所を決め、必要に応じて壁面や造作収納の検討が継続の鍵
靴や傘、アウトドア用品が玄関にあふれてしまい、出かけるたびに探し物をしていませんか。
玄関は家族が毎日出入りする場所だからこそ、収納の使いやすさが暮らしやすさに直結します。
玄関収納は「限られたスペースをどう活かすか」というテーマの中でも特に関心の高いところだと感じています。
おしゃれに見せたい気持ちと、実用性を両立させたいという悩みも多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、玄関収納の主な形態と選び方、狭いスペースでも使いやすくする工夫、臭い・湿気対策、そして見落としがちな防犯面の配慮まで、順を追って整理します。
帰宅時や来客があった際最初に目にする玄関は、整理整頓されているだけで、気分が晴れやかになる場所ですよね。ただ、玄関は油断しているとものがあふれやすい場所でもあります。宅配便の荷物や封筒、チラシのような郵便物を、「あとで片付けよう」とそのままにしてしまい、いつの間にか散らかっていることも…。玄関には適度に収納を取り入れ、すっきり見えつつも利便性の高い収納を意識しましょう。
玄関収納の主な形態を知っておく
玄関収納には、大きく分けて次のような形態があります。
- 置き型の収納ラック:靴箱や玄関ラックを後から設置する方法です。工事が不要で、賃貸でも導入しやすいのが特徴です。
- 壁面収納:壁に取り付けるタイプの棚やフックです。床面積を取らずに済むため、狭い玄関にも向いています。
- 造作の下駄箱:建物に組み込まれた収納で、間取りに合わせて容量を確保しやすくなっています。
- 土間収納・シューズクローク:靴を履いたまま出入りできる土間続きの収納スペースです。ベビーカーやアウトドア用品など、床を汚したくない物の収納にも向いています。
置き型の収納ラックは比較的低予算で始めやすい一方、造作の下駄箱や土間収納は新築・リフォームの工事費用が別途かかります。
収納したい物の量や、新築・リフォームのタイミングかどうかに応じて選ぶとよいでしょう。
収納の形態を紹介
シューズクロークを検討する場合は、玄関の広さとのバランスも重要です。
収納量を優先しすぎると玄関そのものが狭くなり、来客時の動線を圧迫してしまうこともあるため、間取り全体の中でどの程度のスペースを充てられるかを事前に確認しておくとよいでしょう。
特に、持っている靴の量が多い方や家族の人数が多い方は、シューズクロークの設置を検討している方も多いのではないでしょうか。シューズクロークは、広さによっては防災用品や子ども用の自転車なども収納できます。あらかじめ靴の量や収納したいものをある程度決めてからシューズクロークのサイズを決めると、より使い勝手のいい収納場所になるでしょう。
狭いスペースでも使いやすくする工夫
玄関が狭い場合は、床置きの収納を増やすよりも、壁面を活かす方が出入りのしやすさを保ちやすくなります。壁面にフックや浅い棚を設置すれば、傘や鍵、上着など、細々とした物を分散して収納できます。
収納する物は「靴・傘・アウトドア用品・鍵・宅配物」のように分類し、それぞれの置き場所を決めておくと、探し物をする時間を減らせます。
奥行きの浅いラックを選ぶ、扉付きにして生活感を隠す、といった工夫でおしゃれな印象にも近づけやすくなります。
靴の量が多い場合は、収納の見直しの機会に使っていないものを処分するのもおすすめです。あえて扉が付いていない浅い棚を設置し、常に靴が見えている状態を作っておくと、今稼働しているきれいな靴だけを厳選して置くようになります。玄関に多くの靴が直置きされている状態も防げますよ。
【分類別】玄関収納の置き場所とポイント
収納量を決める際は、家族の人数と靴の数に対して、余裕を持った容量を見込んでおくことも大切です。収納量を見誤って靴があふれてしまったり、通路の幅を収納が圧迫して出入りしにくくなったりするのは、玄関収納でありがちな失敗のひとつです。
ものは、使用する場所の近くに置くのが基本です。我が家では、傘や鍵、買い物に使用するエコバッグを玄関に置いています。また、宅配便用のハンコと、ダンボールを開封するための小さなカッターも保管してあります。開封後のダンボールをすぐに処分したいため、なるべく玄関先で開封するようにしています。
傘は、室内側のドアに磁石で取り付けられる収納グッズを使うと、傘立てを直置きしなくて済み、よりすっきり見えますよ。
臭い・湿気対策
玄関収納は靴の湿気がこもりやすく、臭いの原因になりやすい場所です。
国土交通省「住宅等における換気等に関する情報提供について」によると、シックハウス対策の観点から住宅には原則として機械換気設備の設置が義務づけられており、玄関収納内の湿気対策も、こうした住宅全体の換気の仕組みを踏まえて考えることが大切です。
具体的には、除湿剤・消臭剤を設置する、扉を開けて定期的に空気を入れ替える、靴を詰め込みすぎず隙間を作る、といった対策が効果的です。
濡れた靴やアウトドア用品をそのまま収納せず、乾かしてからしまう習慣をつけることも、臭い・カビの予防につながります。
梅雨時期など湿気の多い季節は、収納内の除湿剤をこまめに交換する、扉を開ける時間を少し長めにするなど、季節に応じて対策の頻度を調整するのもひとつの方法です。
防犯面の配慮も忘れずに
玄関収納は、鍵や宅配物の置き場所にもなりやすい場所です。
しかし、外から見える位置に合鍵や宅配物を無防備に置いてしまうと、防犯上のリスクにつながります。
政府広報オンライン「空き巣や強盗から命と財産を守る『住まいの防犯対策』」によると、住まいの防犯対策としては、在宅時でも施錠を習慣づけることや、来訪者の確認を徹底することなどが呼びかけられています。
玄関収納を設計・配置する際は、こうした情報も踏まえ、合鍵や宅配物を外から見えない位置に収納する、来客時に室内の様子が見えすぎないようにするといった配慮を加えておくと安心です。
我が家でも、鍵は玄関で管理していますが、来客時にすぐに見えない場所に置くようにしています。毎日使うものなのでさっと取り出せるのが便利ですが、防犯面を考えるとリスクもあります。玄関に置く場合は、底の深いボックスを活用するか、目隠しをした状態で保管するのがおすすめです。
侵入窃盗における侵入手口(令和6年)
宅配物・置き配との付き合い方
近年は玄関先での「置き配」を利用する家庭も増えていますが、玄関収納のスペースに宅配ボックスや専用の置き場所を確保しておくと、荷物が外に長時間置かれたままになるのを防ぎやすくなります。
壁面収納の一角や土間の隅など、宅配物を一時的に置けるスペースをあらかじめ決めておくとよいでしょう。
宅配ボックスを設置する場合も、外から中身が見えない位置・角度にする、鍵の管理を徹底するといった配慮を組み合わせることで、利便性と防犯性のバランスを取りやすくなります。
まとめ
玄関収納は、置き型ラック・壁面収納・造作の下駄箱・土間収納という選択肢の中から、玄関の広さや収納したい物の量に合わせて選ぶことがポイントです。
狭いスペースでは壁面を活かした収納で出入りのしやすさを保ちつつ、臭い・湿気対策と鍵まわり・宅配物の防犯配慮もあわせて意識することで、使いやすく安心できる玄関に整えられます。
一度にすべてを整えようとせず、まずは収納する物を分類して置き場所を決めるところから始め、必要に応じて壁面収納や造作収納を検討していくと、無理なく続けやすくなります。
ご自宅の状況に合わせて、少しずつ取り入れてみてください。
玄関の広さによって設置する収納の種類は異なります。どの収納を取り入れるにしても、ものの量を必要な分に抑え、玄関に置くべきものを収納するといったルールを決めておくことが大切です。すっきりした見た目と実用性を両立した玄関を目指して、収納を工夫してみてくださいね。
しつらえの美しさと実用性、そして安心感を少しずつ整えて
ご利用にあたっての注意
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品・サービス・業者の購入や契約を推奨・勧誘するものではありません。記載の費用・仕様は執筆時点の目安であり、地域・条件・時期により異なります。防犯対策の効果を保証するものではなく、最新の情報や個別のご事情については、公式情報の確認のうえ、ご自身の判断で行ってください。
参考情報
元新聞記者。ガーデニング、インテリア、植物、DIYなどの記事を執筆。華道(池坊 師範科助教・華掌)、フラワーアレンジメントにのべ10年間励み、専門的視点から解説する。一種外務員資格、行政書士試験合格。
整理収納アドバイザー2級。インテリアを中心に、暮らしを豊かにする情報を発信している。暮らしに関するWebメディアにて、100円ショップの商品を活用した収納アイデア記事などを執筆。
記事では、置き型の収納ラックから壁面収納、造作の下駄箱、土間収納やシューズクロークまで、玄関収納の主な形態を整理し、それぞれ向いている人のイメージを添えています。
新築やリフォームのタイミングで検討したい方には造作収納や土間収納、まずは手軽に整えたい方には置き型ラックや壁面収納、というふうに向き不向きも書き分けました。
特に玄関が狭い場合は、床置きの収納を増やすよりも、壁面を活かして出入りのしやすさを保つ工夫を優先するようお伝えしました。収納する物を「靴・傘・アウトドア用品・鍵・宅配物」のように分類しておくと、探し物をする時間も減らせますし、玄関の見た目もすっきりと整いやすくなります。
玄関先に季節の花を飾るような、ちょっとした余白を残す意識にもつながる工夫だと感じています。
臭い・湿気対策としては、除湿剤や消臭剤の設置、こまめな換気、濡れた靴を乾かしてから収納する習慣、詰め込みすぎない収納量を意識することをご紹介しました。梅雨時期など湿気の多い季節は、対策の頻度を少し増やすといった調整も有効だとお伝えしています。加えて、鍵や宅配物の管理という防犯面の配慮も忘れずに触れています。
合鍵や届いた荷物を外から見えない位置に置く、置き配用の一時置きスペースをあらかじめ決めておく、といった小さな心がけの積み重ねが、家の安心につながります。
しつらえの美しさと実用性、そして安心感を、ご自宅の状況に合わせて少しずつ整えていっていただければと思います。