この記事はここがポイント
- 秋から春:秋はシュウメイギクやダイモンジソウが美しく咲き、雪割草が寒さの底を埋める
- 春から夏:日陰ではアスチルベ、日なたではアガパンサスが白い花を立ち上げる
- 長く咲く花:エリゲロンが春~晩秋ずっと咲き続け、寂しくなりがちな真夏も彩る
白でまとめた庭は、光をよく受けて明るく見え、夕暮れどきには浮かび上がるような輝きを楽しめます。
とはいえ、実際に「ホワイトガーデン」をつくってみると、思いのほか「花のない時期」が長くなってしまうことも。 そこで意識したいのが、「咲く時期をずらして植える」ということです。
ひとつの株の花が終わるころに、隣の株のつぼみが膨らむ。この重なりを意識しておくだけで、白い花が途切れる期間が少なくなり、いつも白い花が楽しめるホワイトガーデンを作れますよ。
今回は、一度植えれば植えっぱなしでも毎年美しい花を咲かせる多年草の中から、「ホワイトガーデン」にぴったりな6つの植物をご紹介します。
植えっぱなしでも一年中白い花が咲く庭づくり!おすすめ多年草6選
雪解けとともに顔をのぞかせる「雪割草(ミスミソウ)」
庭がまだ冬枯れの色をとどめる2月から4月ごろ、地面すれすれの高さでひっそりと花を開くのが雪割草です。丸みを帯びた三角形の葉が特徴で、根雪が緩むころに花を咲かせることから、この名がつきました。
花びらのように見える部分は本来がく片で、白のほか、ピンクや紫、まれに八重咲きの品種もあります。 もともと落葉樹の下で育つ植物のため、冬から早春は日なた、葉が茂る初夏以降は木陰になるような場所が理想的です。
水はけがよく、腐葉土などを混ぜたやや湿り気のある土を好みます。真夏の直射日光と乾燥は苦手なので、鉢植えの場合は夏だけ明るい日陰へ移すと安心です。
花が終わって葉が茂った株は、数年に一度、休眠期に株分けをすると増やせます。
種からも育てられますが、花色や咲き方が親株と変わることが多く、それも雪割草ならではの楽しみのひとつです。成長がゆっくりな植物なので、植え替えの際は根をあまり崩さないようにしましょう。
春から晩秋まで咲き、白から薄いピンク色へと花色が変化する「エリゲロン」
エリゲロン
エリゲロンは、咲きはじめは白く、日が経つにつれてほんのりピンク色へ変化するユニークな花です。
花の一つひとつが1cmほどと小さく、株全体を花が覆うように咲き、春から晩秋まで長く咲き続けます。
ホワイトガーデンの「つなぎ役」にぴったりです。 乾いた場所を好み、水はけさえよければ土質を問わず、肥料もほぼ不要です。
伸びすぎてしまったら、高さを半分ほどに刈り込めば、再び新しい花を咲かせます。
非常に強い繁殖力があるため、こぼれ種で思わぬ場所から芽を出すこともあります。広げたくない場所には仕切りを設けたり、こまめに切り戻しや抜き取りをしたりしながら管理しましょう。
春の終わりから初夏の木陰に、ふわりと白い煙を立てるように咲く「アスチルベ」
アスチルベ
春の花が終わり、庭が緑一色になりがちな5月から6月頃に、羽毛のようにふわりとした小さな花をいっぱい咲かせるのがアスチルベです。細かな花が集まった花穂は、風が通るたびに優しく揺れます。
日陰でもよく咲く数少ない白い花で、暗くなりがちな場所を明るい景観にしてくれます。
やや湿り気のある土を好み、乾燥が続くと傷みやすいため、落ち葉やバークチップなどで株元を覆っておくと安心です。
梅雨空にすっと立つ、涼やかな「アガパンサス」
アガパンサス(白花種)
アガパンサスは、雨が続いてなかなか庭仕事ができない6月から7月頃に、長い花茎を伸ばして花火のような姿の小花を咲かせます。
花色には青紫や白、美しいバイカラーなどがありますが、中でも白花の品種を選べば、梅雨時でも光を集めたような涼しげな空間を演出できます。
アガパンサスは非常に丈夫で、一度根づけば乾燥にも強い日差しにも耐えます。過湿には弱く、水はけの悪い場所では根腐れを起こすことがあるため、乾燥気味に管理してください。
花が終わったら根元から茎を切り、常緑タイプは傷んだ葉だけを整理する程度で十分です。落葉タイプは冬に地上部がすべて枯れますが、春にはまた芽吹きます。
夏の終わりから秋の風に細い茎を揺らす「シュウメイギク」
シュウメイギク
夏の疲れがまだ庭に残る9月に、すっと伸びた茎の先に平らな花を咲かせるのがシュウメイギクです。
名前に「菊」とありますが、菊ではなくキンポウゲ科でアネモネの仲間です。花びらのように見える部分は、じつはがく片です。白い一重咲きは、秋の風情が感じられ、和洋どちらの庭にもなじみます。
シュウメイギクは夏の強い日差しと乾燥が苦手です。半日陰で、適度に湿り気がある場所を好むので、樹木や建物などの陰になる場所に植えると育てやすくなります。
地下茎を伸ばして少しずつ範囲を広げるため、増えすぎるのが気になる場合は根止め板で広がる範囲を制限したり、鉢植えにしたりするとよいでしょう。
秋の日陰でひらく、白い「大」の字「ダイモンジソウ」
ダイモンジソウ
9月から11月ごろ、丸い葉の間から伸びた細い花茎の先に、小さな白い花を次々と咲かせるのがダイモンジソウです。5枚の花びらのうち下の2枚が長く伸びる姿が、漢字の「大」の字に見えることから、この名がつきました。
星をちりばめたような咲き姿は、秋の弱まった日差しの中でひときわ涼やかに映ります。
もとは渓流沿いの湿った岩場に自生する植物のため、強い直射日光と乾燥が苦手です。半日陰から日陰で、水はけがよく適度に湿った土を好むので、庭では樹木の根元や北向きの花壇など、涼しく落ち着いた場所を選びましょう。
鉢植えで育て、夏だけ涼しい場所に移動させる方法も向いています。
寒さが増すと地上部が枯れ、そのまま休眠して冬を越します。春になれば再び芽を出すので、地上部が枯れても掘り上げる必要はありません。
品種によっては、白以外にピンクや赤の花を咲かせるものもあります。
季節の重なりを意識すれば、白い庭は途切れない
今回は、咲く時期を分担しながら白い景色をつないでくれる多年草を6種類ご紹介しました。
ポイントは、一株ずつ「いつ咲くか」を確かめてから買うこと。このひと手間で、少ない植物でも一年中花が咲く庭を作りやすくなります。
まずはこれからの季節に花を咲かせる一株から、庭に迎えてみてはいかがでしょうか。
ローメンテで一年中白い花が咲くホワイトガーデンを作りたい方におすすめの、植えっぱなしで毎年花を咲かせる多年草をピックアップしました。
一言に「白い花」と言っても、青みを含んだ純白、クリームがかった白、うっすら緑を帯びた白、ピンクがかった白など、さまざまな「白色」があります。
また、葉の色もさまざまなので、統一感を出したい時は葉の色もなるべく合わせておくと、すっきりとした印象になりますよ。
どうしても花が少ない時期ができてしまい、気になるときはシルバーリーフの多年草や低木を取り入れるのも方法のひとつ。
シロタエギクやサントリナなど、常緑のシルバーリーフが1株あると、花のない時期でもホワイトガーデンの洗練された雰囲気を出すことができます。
まずは小さな花壇や玄関先で、一年中花が咲く「ホワイトガーデン」を作ってみませんか?
樹木医、1級造園施工管理技士。テーマパークの植栽管理業務に7年間従事し、植物のメンテナンスや樹木診断、空間演出に携わる。現在はくらしとお金の経済メディア「LIMO」にてガーデニングおよびアウトドア分野の記事執筆・監修を担当。
