樹木葬とは|費用の目安・メリットとデメリット・後悔しないための注意点
Design Awur/shutterstock.com 
住まい

樹木葬とは|費用の目安・メリットとデメリット・後悔しないための注意点

合祀・集合・個別、埋葬形態3タイプの違いと契約前に確認すべきこと

執筆者中井 里穂LIMO&ホーム編集部記者
14:00
樹木葬とは|費用の目安・メリットとデメリット・後悔しないための注意点
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この記事はここがポイント

  • 樹木葬は合祀・集合・個別の3タイプがあり、費用優先の合祀型選択による後悔が多く、タイプ理解が重要
  • 承継者不要、初期費用抑制が利点だが、費用や申込資格は運営主体で幅広く、事前の公式資料確認が必須
  • 契約前の費用内訳、解約規定、家族合意を書面確認し、後悔を防ぐ対策

「樹木葬」という言葉を、ニュースや周囲の会話で見聞きする機会が増えたと感じている方もいるのではないでしょうか。

「跡継ぎがいなくても供養してもらえる方法を知りたい」「実家のお墓じまいをしたあと、どこに納骨すればいいのか分からない」——こうした悩みから樹木葬に関心を持つ方は少なくありません。

一方で、「樹木葬にして後悔した」という声が気になり、一歩を踏み出せない方もいるでしょう。

そこで今回は、樹木葬の基本的な仕組みから費用の目安、メリット・デメリット、契約前に確認しておきたいポイントまで、順を追って整理します。

家族に負担をかけたくないという気持ちから樹木葬を検討する方は多いと思いますが、だからこそ一人で決めずに、費用や条件を書面で確認しながら、家族・親族とじっくり話し合う時間を持っていただきたいと感じます。

樹木葬とはどんな供養方法?法律上の位置づけ

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木や草花を目印として遺骨を埋蔵する供養方法の総称です。

墓地であればどこでも自由に行えるわけではなく、「墓地、埋葬等に関する法律」(厚生労働省所管)に基づき、都道府県知事等の許可を受けた墓地・霊園でのみ実施できます。

運営主体としては自治体・寺院・民間霊園事業者などが挙げられますが、法律上、墓地の経営許可を受けられる主体は原則として地方公共団体・宗教法人・公益法人等に限られます。

民間企業が窓口となっている霊園でも、法的な経営主体は宗教法人等であるケースがあり、どこが経営・運営しているかによって申込資格や条件が変わってくる点に注意が必要です。詳細については、専門家や自治体窓口に確認してみてください。

埋葬形態は3タイプ、それぞれ特徴が異なります

樹木葬と一言でいっても、実際の埋葬の仕方には主に3つのタイプがあります。

  • 合祀型:他の方の遺骨と一緒に埋蔵する形式。費用を抑えやすい一方、後から個別に取り出すことはできません。
  • 集合型:区画自体は分かれているものの、シンボルツリーや管理は共同で行う形式。
  • 個別型:個別の区画に埋蔵し、一定期間は個別に管理される形式。一般墓に近い形でお参りしやすいのが特徴です。

「後悔した」という声の多くは、費用の安さだけで合祀型を選んだあと、個別にお参りしたい気持ちが強くなった、というケースに集まりがちです。

タイプごとの違いを事前に理解しておくことが、後悔を避ける第一歩になります。

一般墓・永代供養墓との違い

樹木葬の大きな特徴は、承継者(お墓を引き継ぐ人)が不要であることです。

一般墓は基本的に子や親族が代々管理していくことが前提ですが、樹木葬は運営主体が管理を担うため、「子どもに負担をかけたくない」という方に選ばれやすい供養方法といえます。

また、墓石を建てないため初期費用を抑えられる傾向がある点も、永代供養墓と共通する特徴です。主な違いを整理すると、次のようになります。

【表】一般墓、永代供養墓、樹木葬の一般的な違い

【表】一般墓、永代供養墓、樹木葬の一般的な違い
【表】一般墓、永代供養墓、樹木葬の一般的な違い

※上表は一般的な傾向の整理であり、契約内容は運営主体ごとに異なります。個別の条件は必ず公式資料でご確認ください。

墓じまいの受け皿として選ばれることも

実家のお墓を管理する人がいなくなった、いわゆる「墓じまい」(改葬)をしたあと、遺骨の受け皿として樹木葬を選ぶ方も増えています。改葬にあたっては、もとの墓地の管理者から発行してもらう書類や、自治体への改葬許可申請といった手続きが必要になる場合があります。

手続きの詳細は自治体・寺院・霊園によって異なるため、検討されている方は現在お墓がある市区町村の窓口や、墓地の管理者に相談してみましょう。

改葬にともなって寺院との関係を終える際に、想定より高額な離檀料を求められたという相談も、国民生活センターに寄せられています。事前に費用の見込みを確認しておくと、思わぬトラブルを避けやすくなります。

費用はどのくらい?目安と確認方法

費用が気になる方は多いと思いますが、樹木葬の費用は運営主体・埋葬形態・地域によって幅が大きく、統一的な相場を示す公的な資料は見当たりませんでした。

合祀型は比較的抑えられる傾向にあり、個別型はそれよりも高くなる傾向があるといった程度の一般的な傾向はあるものの、具体的な金額は契約前に各運営主体の公式な料金表・重要事項説明で必ず確認することをおすすめします(2026年時点)。

PIO-NETに登録された、墓と葬儀サービスに関する相談件数の推移表

PIO-NETに登録された、墓と葬儀サービスに関する相談件数の推移表
PIO-NETに登録された、墓と葬儀サービスに関する相談件数の推移表

※「葬儀サービス」は、葬儀業者が行う葬式のほか、火葬場、斎場、僧侶の依頼等葬式に関連する相談も含みます。

なお、国民生活センターには、墓地・葬儀サービスに関する相談として「価格やサービス内容について十分な説明がなかった」「想定より高額な費用を請求された」といった事例が寄せられています。

埋葬料・管理料の有無や範囲は事業者ごとに異なるため、口頭の説明だけでなく、書面で内訳を確認しておくと安心です。

後悔しやすいポイント・デメリット

メリットの多い樹木葬ですが、契約前に知っておきたいデメリットもあります。

  • 合祀型の場合、一度埋蔵すると遺骨を個別に取り出せないため、後から一般墓へ改葬したくても対応できないことがある
  • 家族・親族の間で十分に話し合わずに決めてしまい、後から「相談してほしかった」という声が出るケースがある
  • 屋外であることが多く、天候や季節によって足元の環境が変わる霊園もある
  • 自治体営霊園は申込者数が募集数を上回ることがあり、希望してもすぐに利用できない場合がある

こうした点は、事前に家族と話し合い、複数の霊園・運営主体を比較したうえで検討することで、後悔のリスクを下げられます。

申込資格・居住要件はどうなっている?

自治体が運営する霊園の場合、居住要件が設けられていることが多い点も見落とせません。

たとえば東京都立霊園の合葬埋蔵施設では、申込者本人が「都内に3年以上継続して住んでいること」などの条件が設けられており、「遺骨」「生前」「遺骨・生前」の申込区分ごとに細かな要件が定められています。

募集は年度ごとに実施され、たとえば令和8年度(2026年度)の募集は申込期間が6月12日~7月3日で、既に受付を終了しています。募集内容・要件は年度によって変わるため、検討する年度の最新の公式募集要項を必ず確認してください。

一方、寺院や民間霊園事業者が運営する樹木葬は、居住要件を設けていないケースも多く見られます。どの運営主体を選ぶかによって、申込のしやすさも変わってくることは覚えておきたいポイントです。

契約前に確認しておきたいこと

樹木葬を検討する際は、次のような点を確認しておくと安心です。

  • 埋葬料・管理料の内訳と、追加費用が発生する条件
  • 重要事項説明の内容(特に返金・解約に関する規定)
  • 申込資格・居住要件の有無と、自分(または家族)が条件を満たしているか
  • 宗派・宗教の制限があるかどうか
  • 家族・親族との事前の話し合いと合意形成

樹木葬の契約も他の契約と同じで、口頭での説明だけではなく、書面で細部まで確認する姿勢が、後悔を防ぐために必要なのではないでしょうか。

まとめ

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樹木葬は、承継者を必要とせず、墓石を建てないぶん初期費用を抑えやすい供養方法として関心が高まっています。ただし、埋葬形態によって特徴が大きく異なり、費用や申込資格も運営主体ごとに幅があります。

合祀型・集合型・個別型の違いを理解し、費用や契約条件は必ず公式資料で確認したうえで、家族・親族とじっくり話し合ってみてはいかがでしょうか。

「こんなはずじゃなかった」を防ぐために伝えたいこと

今回の記事では、樹木葬が「墓地、埋葬等に関する法律」に基づき、都道府県知事等の許可を受けた墓地・霊園でしか行えないこと、そして承継者が不要で初期費用を抑えやすい一方、埋葬料・管理料の内訳や追加費用が発生する条件、重要事項説明の内容(特に返金・解約に関する規定)は運営主体ごとに大きく異なることをご紹介しました。

合祀型・集合型・個別型というタイプの違いを理解しないまま契約してしまうと、後から「個別にお参りしたかった」と感じても対応できないことがあるという点も、見落とされがちなポイントだと思います。

また、墓じまい後の受け皿として樹木葬が選ばれることが増えている一方で、改葬の手続きや想定より高額な離檀料をめぐる相談も寄せられているとのことで、家族・親族との事前の話し合いがいかに大切かも改めて感じさせられました。自治体運営の霊園では居住要件や募集期間が年度ごとに細かく定められている場合もあり、希望すればすぐ利用できるとは限らない点も気にかけておきたいところです。

制度は改正されることもあるため、詳しくは各運営主体の最新の公式情報や、必要に応じて自治体の窓口、専門家へご相談のうえで検討してみてはいかがでしょうか。

ご利用にあたっての注意

  • 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の霊園・寺院・事業者の契約を推奨・勧誘するものではありません。
  • 記載の費用・制度・申込条件は執筆時点(2026年時点)の目安・一例であり、運営主体・地域・年度により異なります。
  • 最新の情報や個別のご事情については、各運営主体の公式な料金表・重要事項説明の確認に加え、必要に応じて自治体の窓口や、相続・契約に関わる場合は司法書士・弁護士等の専門家へご相談のうえ、ご自身の判断で行ってください。

参考情報

中井 里穂LIMO&ホーム編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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