住宅ローンの借り換えは本当にお得?元銀行員がタイミングと諸費用の目安を解説
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住まい

住宅ローンの借り換えは本当にお得?元銀行員がタイミングと諸費用の目安を解説

諸費用の内訳から住宅ローン控除への影響まで、判断材料を整理

執筆者中本 智恵編集者/元銀行員
14:00
住宅ローンの借り換えは本当にお得?元銀行員がタイミングと諸費用の目安を解説
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この記事はここがポイント

  • 借り換えは金利差に加え諸費用、審査、住宅ローン控除影響を含む総合判断項目
  • 金利差1%、残り10年、残高1000万円が目安、個別シミュレーションが不可欠
  • 住宅ローン控除は、当初ローン返済目的や10年返済など要件で借り換え後も適用継続

「今より金利の低いローンに借り換えれば、返済がラクになるのでは」——住宅ローンの返済中に、そう考えたことがある方は多いのではないでしょうか。

一方で、「借り換えには手数料がかかると聞いて、結局お得なのか分からない」という声もよく耳にします。

この記事では、住宅ローンの借り換えの基本的な仕組みから、タイミングの考え方、かかる諸費用の目安、そして見落とされがちな住宅ローン控除への影響まで、判断材料を整理していきます。

銀行員時代、住宅ローンの新規契約の相談を数多く担当してきましたが、そこで感じていたのは、金利の高さ低さだけで得か損かを判断してしまう方が意外と多いということでした。今回の記事では、借り換えを検討する際の目安となる考え方から、事務手数料や登記費用といった諸費用の内訳、そして見落とされがちな住宅ローン控除への影響まで、判断に必要な材料をできるだけ丁寧に整理してご紹介しています。

そもそも借り換えとはどういう仕組み?

借り換えとは、現在返済中の住宅ローンを、別の金融機関(あるいは同じ金融機関の別商品)で新しく組み直したローンで一括返済することです。

新しいローンの金利が今より低ければ、毎月の返済額や総返済額を抑えられる可能性があります。

ただし、借り換えには新規の住宅ローンを組むのと同様に審査があり、また後述するとおり諸費用も発生します。

「金利が下がる=必ず得をする」というわけではなく、諸費用を含めたトータルで判断する必要がある点をまず押さえておきましょう。

借り換えのタイミングはいつが目安になる?

借り換えを検討するタイミングとしては、「今の金利と借り換え先の金利差」「残りの返済期間」「借入残高」の3つを基準に試算するのが基本的な考え方です。

よく「金利差が1%以上、残りの返済期間が10年以上、借入残高が1000万円以上あれば借り換えの効果が出やすい」という目安が語られることがありますが、これはあくまで一般的な目安であり、実際に得をするかどうかは諸費用も含めた個別のシミュレーションをしてみないと分かりません。

金融機関によっては借り換え専用のシミュレーションツールを公式サイトで提供している場合もあるため、「今の残高・残りの期間・借り換え先の金利」を入力して、総返済額がどう変わるかを具体的に試算してみてはいかがでしょうか。

借り換えにかかる諸費用の内訳と目安

借り換えの際には、主に次のような諸費用がかかります。金融機関によって内容や金額は異なりますが、代表的なものを整理すると次のとおりです。

借り換えにかかる諸費用の内訳と目安の表

借り換えにかかる諸費用の内訳と目安の表
出所:LIMO&ホーム作成
借り換えにかかる諸費用の内訳と目安の表

※1 法務省民事局によると、抵当権の抹消登記にかかる登録免許税は、不動産(土地・建物)1個につき1000円とされています(法務省民事局「住宅ローンを完済したことなどによって不動産の抵当権の登記を抹消するための登記申請手続についてご案内します」)。

※2 抵当権設定登記の登録免許税は原則として債権額の0.4%です。国税庁によると、新築または取得後1年以内の住宅にかかる抵当権設定登記については、租税特別措置法第75条に基づき0.1%への軽減措置が設けられています(適用期限は2027年3月31日まで)。この軽減措置は新築・取得後1年以内という期限つきの要件があるため、購入から年数が経っている借り換えの場合は、通常この軽減措置の対象にはならない点に注意が必要です。

事務手数料や保証料は金融機関によって金額や仕組みが大きく異なるため、借り換えを検討する際は、必ず各金融機関の公式サイトや商品説明書で最新の金額を確認するようにしてください。

見落としやすいデメリット・注意点

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借り換えを検討するうえで、次のような点にも注意が必要です。

  • 諸費用が金利差のメリットを上回ることがある:金利差がわずかな場合、諸費用を差し引くとかえって総支払額が増えてしまうケースもあります。
  • 審査に通らない可能性がある:借り換えも新規のローンと同様に審査があり、収入状況や健康状態(団体信用生命保険の加入条件)によっては希望どおりに借り換えできないこともあります。
  • 金利タイプの変更でリスクの性質が変わる:変動金利から固定金利へ、あるいはその逆に切り替える場合、将来の金利変動に対する影響の受け方そのものが変わることになります。

これらを踏まえると、「金利が下がりそうだから」という理由だけで急いで判断するのではなく、諸費用や審査の見通しも含めて落ち着いて比較検討することが大切と言えるでしょう。

借り換え後も住宅ローン控除は使える?

借り換えを検討する際、見落とされがちなのが住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)への影響です。

国税庁によると、借り換えによる新しい借入金は本来、住宅の取得のために直接必要な借入金には当たらないため、原則として住宅ローン控除の対象にはならないとされています。

ただし、新しい借入金が当初の住宅ローンの返済を目的としたものであることが明らかで、返済期間が10年以上であることなど、住宅ローン控除の要件に該当する場合には、借り換え後も引き続き控除を受けられるとされています。

また、借り換え時の新しい借入額が借り換え前のローン残高を上回る場合、住宅ローン控除の対象となる金額は「借り換え前のローン残高 ÷ 新しい借入額」の割合で按分され、上回った部分は控除の対象外となります。

なお、住宅ローン控除を受けられる年数は居住を開始した年から数えた一定期間であり、借り換えをしても控除期間が延長されることはありません。

住宅ローン控除を利用中の方が借り換えを検討する場合は、この要件を満たせるかどうかを、借り換え先の金融機関や税務署、税理士などに事前に確認しておくと安心です。

まとめ

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住宅ローンの借り換えは、金利差だけを見れば得に思えても、事務手数料・保証料・登記費用といった諸費用や、審査、住宅ローン控除への影響まで含めて考える必要があります。

「金利差1%・残り10年・残高1000万円」といった目安はあくまで出発点として、実際にはご自身の借入条件でシミュレーションしてみることが欠かせません。

借り換えが本当にご自身にとって得になるのか、判断のきっかけになれば幸いです。

住宅ローンの借り換えは慎重に。元銀行員が語る、諸費用と住宅ローン控除への影響

中本 智恵
執筆者中本 智恵編集者/元銀行員株式会社モニクルリサーチ

銀行員時代、住宅ローンの新規契約の相談を数多く担当してきましたが、そこで感じていたのは、金利差にばかり目が向いてしまい、事務手数料や保証料、登記費用といった諸費用まで含めて総返済額を考える方が意外と少ないということでした。窓口でお話をうかがっていても、「今より金利が下がるなら得だろう」という発想がまず先に立ち、諸費用を差し引いた最終的な損得までは考えきれていないケースをよく見てきました。今回の記事を書くにあたって、あらためて「金利が下がる=必ず得をする」わけではないという点を、丁寧に整理しておきたいと考えました。

記事の中では、借り換えのタイミングを考えるうえでの「金利差1%以上・残りの返済期間10年以上・借入残高1000万円以上」という目安をご紹介しましたが、これはあくまで一般的な出発点であり、実際に得をするかどうかは諸費用も含めた個別のシミュレーションをしてみないと分かりません。

また、事務手数料や保証料は金融機関によって金額や仕組みが大きく異なる点、審査によっては団体信用生命保険の加入条件などから希望どおりに借り換えできない可能性がある点、そして金利タイプを変動から固定へ(あるいはその逆へ)切り替える場合はリスクの性質そのものが変わる点についても触れました。

抵当権の抹消や設定にかかる登記費用のように、普段あまり意識しない諸費用が積み重なる点も、記事のなかで具体的に整理しています。とくに見落とされがちな住宅ローン控除については、借り換え後の新しい借入金は原則として控除の対象にはならないものの、返済目的が明らかで返済期間などの要件を満たす場合には、引き続き控除を受けられるケースがあるという点を、あらためて整理しておきたい部分です。

「金利が下がりそうだから」という理由だけで急いで判断するのではなく、諸費用や審査の見通し、そして住宅ローン控除への影響まで含めて、いったん落ち着いて比較検討していただければと思います。目安となる数字はあくまで出発点であり、ご自身の借入条件にそのまま当てはまるとは限らない点も心に留めておいていただきたいところです。

なお、諸費用の具体的な金額や住宅ローン控除の適用可否は、個別の借入条件や金融機関によって異なりますので、実際に検討される際は、最新の公式情報や、税務署・税理士、各金融機関の窓口など専門の窓口で確認しながら進めていただくと安心です。 

ご利用にあたっての注意

  • 本記事は2026年7月時点で確認できた情報に基づく一般的な解説であり、特定の金融機関への借り換えを推奨・勧誘するものではありません。
  • 記載の諸費用・税率・制度は執筆時点のものであり、金融機関や個別の条件により異なります。
  • 最新の情報は各金融機関の公式サイト・商品説明書、および国税庁・法務局等の公式情報でご確認ください。
  • 住宅ローン控除の適用可否など個別の税務判断については、税務署や税理士など専門家へのご相談のうえ、ご自身の判断と責任で行ってください。

参考情報

中本 智恵編集者/元銀行員株式会社モニクルリサーチ

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