椅子の選び方ガイド|疲れにくい座り心地と安全に使うための注意点
Hryshchyshen Serhii/shutterstock.com 
インテリア

椅子の選び方ガイド|疲れにくい座り心地と安全に使うための注意点

厚生労働省のガイドライン数値つき|用途別の選び方と折りたたみ椅子の安全対策

執筆者中井 里穂LIMO&ホーム編集部記者
14:00
椅子の選び方ガイド|疲れにくい座り心地と安全に使うための注意点
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この記事はここがポイント

  • 疲れにくい椅子は座面高さ、奥行き、背もたれ、素材が重要。厚生労働省ガイドラインによる机60-72cm、座面37-43cmを目安。
  • 折りたたみ椅子は指はさみ事故が23件発生、12歳以下の子どもの指切断事故も5件。開閉時の安全確認が必須。
  • 椅子は用途で重視点が異なり、使用シーンに合わせた選び方が基本。

在宅ワークやおうち時間が増え、「そろそろ椅子を新しくしたい」と考える方が増えているのではないでしょうか。

私自身もコロナ禍以降、在宅ワークや勉強、ゲームなど、机に向かう時間が長くなりました。その中で椅子選び一つで姿勢や集中力が大きく変わることを実感しています。

デスクチェア、ダイニングチェア、座椅子、折りたたみ椅子…椅子と一口に言っても種類は多く、「何を基準に選べばいいのか分からない」という声もよく耳にします。

デスク周りを整える方が増えたのに加えて、近年はインテリアへの関心が高まり、「機能性だけでなくデザインも妥協したくない」という声が目立つようになった印象があります。

今回は、用途別の選び方の基準から、疲れにくい座り心地のポイント、そして意外と見落としがちな安全面の注意点まで、椅子選びで押さえておきたいポイントを整理してご紹介します。

在宅ワークや勉強などで普段から机に向かう時間が長い筆者は、「座る姿勢」の大切さを人一倍実感しています。姿勢が崩れると集中力も途切れやすくなる、という感覚は、椅子選びにもそのまま通じるものがあるなと感じながら、今回の記事を書きました。ご自身の用途にあった椅子を探しの一助になれば幸いです。

用途で変わる「椅子選び」の基本

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まず押さえておきたいのが、椅子は用途によって重視すべきポイントが異なるという点です。

  • デスクチェア:長時間の作業を支える椅子のため、座面の高さ調整や背もたれの角度調整など、体格やデスクの高さに合わせて微調整できるかがポイントです。
  • ダイニングチェア:食事のしやすさに直結するため、テーブルの高さとのバランスや、座面の奥行き(浅すぎず深すぎない設計)が重要です。
  • 座椅子:床に座る生活スタイルに合わせて選ぶもので、背もたれのリクライニング機能やクッション性が快適さを左右します。
  • 折りたたみ椅子:来客時や省スペース収納に便利な一方、後述する安全面の注意も欠かせません。

用途を明確にしたうえで椅子を選ぶことが、「なんとなく良さそうだから」で選んで後悔しないための第一歩です。

疲れにくい座り心地を左右する4つのポイント

長時間座っても疲れにくい椅子を選ぶうえで、確認しておきたい基準を4つ紹介します。

  1. 座面の高さ:床から座面までの高さが体格や机の高さと合っているか。
  2. 座面の奥行き:太ももの裏に圧迫感がなく、背もたれにしっかり寄りかかれる奥行きか。
  3. 背もたれの角度・調整機能:背中全体を支え、姿勢が崩れにくいか。
  4. 座面・背もたれの素材:メッシュ・布・合成皮革・木製など、通気性やクッション性、お手入れのしやすさに違いがある。

参考になるのが、厚生労働省が公表している『情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン』です。

パソコン作業などの環境基準を定めたこのガイドラインでは、適切な調整目安として「机の高さは60cm〜72cm程度」、「床から座面までの高さは37cm〜43cm程度」という具体的な数値が示されています。 

※あくまで目安であり、体格や作業内容により適した高さは異なります。また、ここでいう座面の高さは、実際に座ってクッション材が2cm〜3cm程度圧縮された状態を指すため、市販されている椅子のカタログ表示(クッション材が圧縮されていない外形の高さ)とは数値が異なる場合があります。2026年時点の情報のため、最新情報は公式サイトでご確認ください。

購入前にこの数値を目安として頭に入れておくと、店頭やオンラインストアで椅子を選ぶ際の判断材料になります。

また、人間工学的に最も疲れにくいとされる座り姿勢は、「椅子に深く腰をかけて背もたれに背を十分あて、足裏全体が床にぴったり接した姿勢」が基本です。大腿部(太もも)の負担を減らすため、シートの前端とひざ裏の間には「手指がすっと入る程度のゆとり」があるものを選びましょう。

もし、一番低く調節しても足裏が床につかない場合は、無理をして座り続けず、腰や背中の負担を軽減してくれる「足台(フットレスト)」をセットで取り入れるのがおすすめです。

さらに、疲れを溜めないためには「ずっと座りっぱなし」を避け、「時折、立ち上がりながら作業(立位)を交える」ことも効果的です。

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部屋の雰囲気に合わせた「おしゃれな椅子」の選び方

ダイニングやリビングの模様替えを考えている方にとっては、座り心地と同じくらいデザイン性も気になるところですよね。椅子一脚でも部屋全体の季節感や雰囲気が大きく変わりますよ。

  • 木製フレーム:温かみのある印象を与え、和室や北欧テイストのお部屋によく馴染みます
  • 布張り・ファブリック素材:季節ごとにクッションカバーを変えるだけでも表情を変えられます
  • 合成皮革やビニールレザー:お手入れがしやすく、小さなお子様がいるご家庭にも扱いやすい素材です

花や緑を飾る際も、椅子の色味や素材感によって空間の印象が変わります。

例えば木製の椅子はドライフラワーや実物(みもの)のような落ち着いた飾りと相性がよく、明るい色の布張り椅子には季節の生花を合わせると空間が華やぐ、というように、椅子選びとちょっとした飾りつけを合わせて考えるのもおすすめです。

デザインだけで選ばず、日々のお手入れのしやすさも含めて検討すると、長く愛用できる一脚に出会いやすくなります。

来客用・省スペース用の折りたたみ椅子で気をつけたい安全ポイント

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来客時や部屋のスペースを有効活用したいときに便利な折りたたみ椅子ですが、実は「指はさみ事故」への注意が必要です。

東京都が実施した『折りたたみ椅子等の安全確保について』協議会の報告では、過去10年間で折りたたみ椅子による指はさみ事故が23件報告されており、指切断事故10件のうち約半数にあたる5件が12歳以下の子どもだったとされています。

※2026年時点で公表されている情報のため、最新の注意喚起は東京都公式サイト等でご確認ください。

小さなお子様や高齢のご家族と同居されているご家庭では、次の点を意識してみてください。

  • 開閉時は子どもを近づけない、大人が開閉を行う
  • 可動部の隙間が狭い設計の製品を選ぶ
  • 完全に開ききったことを確認してから着座する

「便利だから」で終わらせず、使うシーンに応じた安全確認もセットで考えることが、長く安心して使うためのポイントです。

購入前のチェックリスト

最後に、椅子を選ぶ際に確認しておきたいポイントをまとめます。

  • 使う場所・用途(デスク/ダイニング/リビング/来客用)は明確か
  • 座面の高さ・奥行きは体格やテーブル・机の高さと合っているか
  • 背もたれの角度調整やクッション性は十分か
  • 素材はお手入れのしやすさも含めて生活スタイルに合っているか
  • 折りたたみ椅子の場合、可動部の安全性を確認したか

椅子は毎日長い時間を共にする家具だからこそ、価格やデザインだけでなく、用途・座り心地・安全性のバランスで選んでみてはいかがでしょうか。

販売店に行き、実際に座ってみて決めるのも、思ったものと違う…という事態を防ぐ一助になります。

今回ご紹介したチェックリストを参考に、無理のない範囲でご自宅に合う一脚を探してみてください。

一脚選びが、暮らしの姿勢を変える

私自身も机に向かう時間が長いタイプなので、椅子選びで姿勢や集中力が変わるという記事の冒頭には、深く共感しながら筆を進めました。

今回の記事でとくに大切にしたのは、用途ごとに椅子選びの基準が変わるという整理です。デスクチェアなら座面や背もたれの調整機能、ダイニングチェアならテーブルとのバランスや座面の奥行き、座椅子ならリクライニング機能やクッション性、折りたたみ椅子なら安全面というように、目的をはっきりさせてから選ぶことの大切さを、あらためて感じながらまとめました。

座面の高さ・奥行き・背もたれ・素材という4つの基準も、実際に椅子を選ぶときの具体的な判断材料になればと思います。

厚生労働省のガイドラインに基づく座面の高さの目安や、足裏が床につかない場合のフットレストの活用法など、今日からすぐに椅子選びの基準にできる内容を盛り込めたのではないかと思います。

木製フレームや布張り、合成皮革やビニールレザーといった素材による部屋の印象の違いにも触れましたが、機能性とデザイン性を両立させる視点は、暮らしを整えるうえで欠かせないものだと感じます。

折りたたみ椅子の指はさみ事故への注意点も含めて、ご家庭の状況に合わせて、無理のない範囲で一脚を選んでみてください。小さなお子様や高齢のご家族がいらっしゃる場合は、開閉時に近づけない、大人が開閉を行うといった一手間も、あわせて習慣にしていただけたらと思います。

購入前には、可能であれば実際に座ってみて確かめることも、後悔しないための大切な一歩だと思います。

ご利用にあたっての注意

  • 本記事で紹介した数値・情報は、2026年時点で公表されている公的機関の資料をもとにした目安であり、体格や使用環境により適した基準は異なります。
  • 最新の情報は厚生労働省・東京都等の公式サイトでご確認ください。
  • また、本記事は特定の商品・ブランドの購入を推奨するものではなく、椅子選びの基準を整理してご紹介する目的の記事です。
  • 実際の購入・使用にあたっては、店頭での試座やメーカー公式情報の確認のうえ、ご自身の判断で行ってください。

参考情報

中井 里穂LIMO&ホーム編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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