この記事はここがポイント
- 猫と暮らす家具選びは、猫用品を「隠す」か「馴染ませる」かの発想が基本。
- 素材は爪とぎや噛み癖への耐性を軸に、個体差を前提とした対策が必要。
- 高さや動線は、猫の上下運動を確保し、安定性や地震対策も考慮することが重要。
猫と暮らし始めると、トイレやキャットタワー、爪とぎといった「猫のためのもの」が部屋のあちこちに増えていきます。せっかく整えたインテリアが、気づけば生活感の強い空間になってしまった——そんなお悩みを抱えていませんか。
猫用品は機能を優先すると見た目がちぐはぐになりやすく、逆に見た目を優先すると猫が使いにくかったり、家具を傷めてしまったりすることもあります。
そこで今回は、猫の習性を踏まえたうえで、家具をインテリアと両立させるための考え方と、選ぶときに押さえておきたい基準を整理してご紹介します。
特定の商品やブランドをおすすめするのではなく、どんな部屋・どんな猫にも応用できる「選び方の基準」を中心にまとめました。
猫と暮らすお宅のインテリア写真を見るたびに、猫のものがあってもどこか品よくまとまっている工夫があるものだと、つい見入ってしまいます。特定の商品に頼らず考え方を整理できないかと思い、今回は、猫の習性(上下運動・爪とぎ・かくれ場所を好む傾向)を踏まえた「隠す」か「馴染ませる」かという発想から、素材の選び方や高さ・動線の基準まで、猫用家具とインテリアを両立させるための考え方を整理してご紹介します。
猫と暮らす部屋で家具選びが難しくなる理由
猫と暮らす部屋の家具選びが難しく感じられるのは、猫には猫特有の「習性」があり、それを無視した家具配置だと猫にとっても飼い主にとっても暮らしにくくなるためです。
環境省が公開している飼育環境に関する資料によると、猫は高いところや立体的な移動を好み、家具やキャットタワーなどで上下運動できる場所をつくることが推奨されています。
また、猫は爪とぎによって古い爪を剥がしたり自分のにおいを付けたりする本能的な行動をとるため、爪とぎ用の場所を用意しないと家具が傷つきやすくなる点にも触れられています(環境省「猫は室内で飼いましょう」、2026年8月時点)。
つまり、猫用品が「生活感を出してしまう存在」になるかどうかは、猫の習性を踏まえて配置・選定できているかどうかによって変わってくるといえます。
猫の習性を踏まえた「前提知識」
家具を選ぶ前に、押さえておきたい猫の習性は主に次の3つです(同資料に基づく)。
- 上下運動:猫は高いところや立体的な移動を好みます。家具やキャットタワーなどで上下運動できる場所をつくることが推奨されています。
- 爪とぎ:古い爪を剥がしたり、自分のにおいを付けたりするための本能的な行動です。好みの爪とぎ場所を用意しないまま放置すると、家具が傷つく前提で考える必要があります。
- かくれ場所:高いところや狭いところに、安心できるかくれ場所を求める傾向があります。
トイレについても、同資料では「猫の数+1個」が理想的な数の目安として示されています。複数の猫と暮らす場合は、この目安を踏まえて置き場所を分散させる必要がある点も、部屋づくりに影響してきます。
なお、猫と暮らす世帯は珍しいものではなく、一般社団法人ペットフード協会「2025年(令和7年)全国犬猫飼育実態調査」によれば、国内の猫の飼育頭数は約884.7万頭で横ばいの傾向にあるとされています(一般社団法人ペットフード協会「2025年全国犬猫飼育実態調査 調査結果の要約」、2025年調査時点)。
猫と暮らしながらインテリアを整えたいという悩みは、多くの世帯に共通するテーマだといえそうです。
元新聞記者。ガーデニング、インテリア、植物、DIYなどの記事を執筆。華道(池坊 師範科助教・華掌)、フラワーアレンジメントにのべ10年間励み、専門的視点から解説する。一種外務員資格、行政書士試験合格。