キャットウォークはDIYできる?賃貸・持ち家別の作り方と安全に作る注意点
Claudia Luna Mtz/shutterstock.com
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キャットウォークはDIYできる?賃貸・持ち家別の作り方と安全に作る注意点

壁の下地と原状回復のルール、猫が安心して使える計画の立て方まで整理

キャットウォークはDIYできる?賃貸・持ち家別の作り方と安全に作る注意点
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この記事はここがポイント

  • 壁付け式DIYでは石膏ボードのみを避け、約455mm間隔などで入る柱や間柱などの下地位置に合わせた固定が基本。
  • 賃貸では国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を考慮し、ネジ固定前の契約確認と承諾取得。
  • 環境省の飼養保管基準等を踏まえ、猫の飛び乗り衝撃も想定した十分な耐荷重の確保と高所作業での専門家相談。

愛猫に上下運動できる場所を作ってあげたい。そう思って調べ始めると、「DIYでおしゃれに」「安く手作り」といった魅力的なアイデアが次々に目に入りますよね。一方で、「石膏ボードの壁にそのまま棚受けを付けて大丈夫なのか」「賃貸でも作れるのか」と、不安が残る方も多いのではないでしょうか。

キャットウォークは、猫が毎日体重をかけて走り、飛び乗る場所です。見た目や費用より先に、壁や固定方法の確認が欠かせないんですよね。

そこで今回は、キャットウォークのDIYに取りかかる前に知っておきたい基礎知識を、公的機関の情報などをもとに整理します。方式の違い、賃貸の原状回復の考え方、下地の確認、作業の流れまで、順を追ってご紹介します。なお、制度や仕様に関わる内容は2026年時点の情報です。

これまで1000本以上の記事を書いてきて、DIYの記事ほど「最初の確認」が結果を左右すると感じています。今回は、愛猫のためのキャットウォークを作る前に押さえたい、賃貸の原状回復の考え方、壁の下地の確かめ方、耐荷重表記の見方を、公的機関やメーカー公式の情報をもとに整理しました。

猫が上下運動できる場所を作る意味と、DIYの前に知っておきたい前提

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環境省のパンフレット「宣誓!無責任飼い主0(ゼロ)宣言!!」の「猫に快適な室内環境」のページでは、猫は高いところや立体的な移動を好むとされ、家具や段ボール箱、市販のキャットタワーなどで上下運動できる場所を作るよう案内されています。キャットウォークは、この場所を壁面に確保する方法の一つです。

また、環境省の「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」の「第5 猫の飼養及び保管に関する基準」(令和4年改正後の現行版)では、疾病の感染防止や不慮の事故防止などの観点から、猫の屋内飼養に努めることが示されています。

ただし、環境省の資料が示しているのは「上下運動できる場所を作ること」であり、「壁に自作の通路を固定すること」ではありません。

壁への固定には、器具が外れたり猫が落下したりするリスクが伴います。まずは家具の組み合わせなど、置くだけの方法で足りないか検討するのも一案です。なお、同じ環境省の資料では、地震等に備えて家具を固定しておくことも呼びかけられています。

キャットウォークの4つの方式と向き不向き

DIYのキャットウォークは、4つの方式に分けると整理しやすくなります。

キャットウォークの4つの方式

キャットウォークの4つの方式
LIMO&ホーム作成

どの方式が向くかは、住まい、猫の年齢や運動能力、DIYの経験で変わります。高齢の猫には、段差が小さくゆるやかに上れる配置が負担になりにくいと考えられます。

賃貸の原状回復はどう考える?壁に穴をあける前の3ステップ

賃貸の場合、最初に確認したいのは契約書です。そのうえで、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(平成23年8月)の考え方が目安になります。

なお、2020年4月施行の改正民法では、通常の使用によって生じた損耗や経年変化を賃借人の原状回復義務の対象から除くことが、条文で明記されています(民法第621条)。

同ガイドラインでは、壁の画鋲やピンの穴(下地ボードの張替えが不要な程度)は通常の損耗と考えられるとされています。

一方、重量物をかけるためにあけたくぎ穴やネジ穴のうち、下地ボードの張替えが必要な程度のものは、通常の使用による損耗を超えると判断されることが多いと示されています。ネジで固定するキャットウォークは、後者に近づく可能性があります。

さらに、地震等に対する家具転倒防止の措置については、あらかじめ賃貸人の承諾を得るか、くぎやネジを使わない方法を検討することが考えられるとされています。

また、ペットによる柱やクロスの傷・臭いは賃借人負担と判断される場合が多いこと、ペット飼育が禁じられている物件では用法違反にあたると考えられることも示されています。

なお、契約に「例外としての特約」がある場合はその内容によりますが、同ガイドラインでは、賃借人に特別の負担を課す特約が有効とされるには、①特約の必要性があり、暴利的でないなどの客観的・合理的な理由があること、②賃借人が通常の原状回復義務を超える負担を負うことを認識していること、③賃借人がその義務負担の意思表示をしていること、が要件として示されています。

進め方の基本は次のとおりです。

  • ステップ①:契約書の原状回復・特約・ペット飼育の条項を読む
  • ステップ②:壁への固定を伴う場合は、管理会社や貸主に事前に相談し、承諾を書面などで残す
  • ステップ③:承諾が得られなければ、突っ張り式や家具の組み合わせなど、壁に加工しない方法を選ぶ

最終的な判断は契約内容と管理会社の回答が優先されます。個別のご事情は、管理会社や不動産の専門家、自治体の相談窓口にご確認ください。

持ち家・分譲で壁に固定するなら「下地」の確認が最重要

壁付け棚受け式で最も大切なのが「下地」の確認です。本記事では、壁の内側にある柱や間柱(鉄骨造の場合は鉄骨)など、ねじを効かせるための骨組みを「下地」と呼びます。

室内の壁や天井の多くは、石膏を厚紙ではさんだ「石膏ボード(プラスターボード)」を張り、その上から壁紙やペイントで仕上げています。

石膏ボードはあくまで壁の「面」をつくる板で、本記事でいう骨組みとしての「下地」とは別のものです。棚受けのねじを石膏ボードだけで支える計画は避け、重さを預けるなら、その裏にある柱や間柱の位置を確かめることが基本になります。

柱や間柱の間隔は建物によって異なりますが、日本の住宅ではおよそ455mmごとに入っていることが多いといわれます。金具の位置は、見た目のバランスより先に、この骨組みの位置に合わせて決めるのが基本です。骨組みから外れた場所に取り付けると、製品に表示された耐荷重どおりの強度が得られないおそれがあります。

実用的なポイントは次のとおりです。

  • 石膏ボードだけに固定する前提で計画しない
  • 下地の位置を、専用の下地探し器具などで確認する
  • 金具の取扱説明書にある耐荷重表記と、下地の条件を照らし合わせる
  • 壁の内側には配線や配管が通っていることもあるため、不安なら工事前に専門家へ確認する

耐荷重の表記は、製品ごとの条件のもとで示された数値です。 猫は走って飛び乗るため、静かに置いたとき以上の力がかかることも考えられます。猫の体重だけで安全と判断せず、十分な余裕を見てください。分譲マンションでは、壁の種類や管理規約で加工が制限される場合もあるため、管理会社・管理組合にも確認が必要です。

作る前に決めたい設計ポイントと、DIYの手順

寸法は猫の体格・年齢・性格で大きく変わるため、ここでは考え方を整理します。

  • 踏み板の幅:向きを変えたり休んだりしやすいか、愛猫の体格を実際に測って検討する
  • 段差の間隔:高齢の猫や子猫に負担がないか ・滑り止めと角の処理:滑りにくさ、角やささくれの有無を確認する
  • 落下時の環境:下に硬い物や人の動線がないか
  • 脱走・誤飲対策:環境省の資料では、窓や網戸のロック、誤飲しやすい物や有毒な観葉植物への配慮も挙げられています

手順の全体像は、計画→下地確認→材料準備→取り付け→強度確認→猫を慣らす、の6段階です。猫を乗せる前には、揺れや緩みがないか入念に点検してください。

特に注意が必要なのは、取り付けの工程です。高所作業や重い板の取り付けは、転落・落下事故につながる可能性があります。吹き抜けなど高い位置への設置や、壁の内部構造にかかわる工事は、DIYを前提にせず、施工業者や建築士などの専門家に相談してください。

壁の中の電気配線や給排水の配管にかかわる工事は、資格を持つ人や、自治体・水道事業者が指定した業者でなければ行えない場合があります。配線や配管に触れるおそれがあるときは、DIYで手を加えず専門業者に依頼してください。

よくある失敗は、下地のない位置へのねじ止めと、飛び乗りを想定しない金具選びです。また、設置後に猫が使ってくれないこともあります。環境省の資料では、猫は安全なところから外を眺めるのが好きとされ、高いところや狭いところに安心できる隠れ場所を作ることも勧められています。窓の近くに寄せるなど、位置や高さの見直しを検討してみてください。

費用の考え方(2026年時点)

費用は、方式や材料、既製品の有無で大きく変わります。本記事では公式資料で確認できた金額を示せないため、具体的な金額は載せていません。2026年時点の価格は、各メーカーや販売店の公式情報でご確認ください。見積もりでは、次の項目を洗い出すと整理しやすくなります。

  • 踏み板・柱などの木材と仕上げ材
  • 棚受けなどの金物(耐荷重表記を確認)
  • ねじ・アンカーなどの固定材(下地に合うもの)
  • 工具(下地探し器具、電動ドライバーなど)
  • 賃貸では、原状回復が必要になった場合の補修費の可能性

「安く手作りしたい」というお気持ちは自然です。

ただ、金物や固定材は安全に直結する部分です。削る前に、家具の組み合わせなど別の方法で目的が果たせないか、比べてみてはいかがでしょうか。

まとめ

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キャットウォークのDIYは、猫の上下運動の場所を作る魅力的な取り組みですが、壁への固定は下地・耐荷重・原状回復のルールと切り離せません。

  • 環境省の資料では、猫は高いところや立体的な移動を好むとされている
  • 賃貸は契約書と管理会社の確認が出発点
  • 石膏ボードだけに固定する前提にせず、下地の位置を確認する
  • 高所作業や構造にかかわる工事は、専門家への相談を検討する

ご自宅の状況と愛猫の様子に合わせて、無理のない範囲から始めてみてはいかがでしょうか。

中井 里穂
執筆者中井 里穂LIMO&ホーム編集部記者株式会社モニクルリサーチ

猫が高いところをするすると歩く姿は、見ているだけで心がほどけますよね。愛猫のために居場所を増やしてあげたいという気持ちから始まるキャットウォークのDIYは、それだけで温かい取り組みだと感じます。ただ、記者として取材を重ねるうちに、私は「楽しそう」と思ったときほど「それは本当に安全なのか」と一度立ち止まる癖がつきました。今回の記事でも、その視点をいちばん大切にしています。

今回の記事では、環境省の資料で猫は高いところや立体的な移動を好むとされていることをご紹介しました。そのうえで、方式を4つに分けて整理し、賃貸なら契約書と管理会社への確認が出発点になることをお伝えしています。壁に固定する場合は、石膏ボードだけを頼りにせず、壁の内側にある下地の位置を確かめることが大切です。耐荷重の表記も製品ごとの条件のもとで示された数値ですので、取扱説明書とあわせてご覧いただければと思います。突っ張り式や家具の組み合わせなど、壁に加工しない方法があることも触れています。

猫は走って飛び乗るため、静かに置いたとき以上の力がかかることも考えられます。猫の体重だけで安全と判断せず、余裕を持って計画していただければと思います。高所での作業や、構造にかかわる工事に不安があるときは、無理をせず専門家への相談も検討してみてください。愛猫の様子を見ながら、できる範囲から少しずつ整えていけたら素敵ですよね。

ご利用にあたっての注意

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品・サービス・業者の購入や契約を推奨・勧誘するものではありません。

記載の制度・仕様は執筆時点(2026年時点)の目安であり、建物の構造、地域、契約内容、時期により異なります。賃貸の方は契約書の確認と管理会社・貸主への相談を、持ち家・分譲の方は施工業者や建築士、管理組合への相談を行い、高所作業や壁の内部にかかわる工事は専門業者への依頼を検討したうえで、ご自身の責任で判断してください。猫の健康や行動のご不安は、獣医師にご相談ください。

参考情報

中井 里穂
LIMO&ホーム編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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