この記事はここがポイント
- 韓国インテリアは、淡いトーン、天然素材、余白を活かしたミニマルなスタイル。
- 色数を2~3色に絞り、天然素材で統一感を出すこと。
- 賃貸でも、壁紙シートやファブリック、小物で雰囲気を変える工夫。
季節の変わり目になると、なんとなく部屋の空気を変えたくなる——そんな気持ちになる方は多いのではないでしょうか。
SNSや動画で見かける「韓国っぽい部屋」に憧れながらも、「具体的に何をどう選べばいいのか分からない」と感じている方も少なくありません。
書道や華道で"余白"や色の組み合わせに向き合ってきた経験からも、韓国インテリアの人気には納得できる部分があります。
派手な装飾を足すのではなく、色数を絞り、空間に余白を残すことで洗練された印象をつくる考え方は、日本の暮らしにも取り入れやすいものです。
今回は、韓国インテリアの基本的な考え方から、色・素材・小物選びの視点、賃貸でも試しやすい工夫まで、順を追って整理していきます。
書道や華道で「余白」を大切にしてきた身としては、韓国インテリアの「たくさん飾るより、削ぎ落として整える」という考え方にとても共感します。色を絞り、モノを減らすほど不思議と部屋が落ち着いて見えるのは、書や花のお稽古を通じて感じてきたことでもあります。今回は、色・素材・小物選びの基本から、賃貸でも取り入れやすい工夫まで、順を追ってご紹介しました。
なぜ今、韓国インテリアが注目されているのか
韓国インテリアの広がり方には特徴があります。
芸能人やインフルエンサーの自宅写真がSNSで紹介されることをきっかけに、「自分の部屋でもまねしたい」という関心が広がってきた経緯があり、雑誌や特定の専門店発というより、SNS発で広まった生活スタイルの傾向という色合いが強いテーマです。
そのため、「これが正解」という決まった型があるわけではなく、色・素材・配置の考え方をゆるやかに共有しながら、それぞれの部屋に合わせてアレンジされているのが実情です。
今回整理する内容も、「絶対にこうすべき」というルールではなく、取り入れる際の目安として参考にしていただければと思います。
韓国インテリアの基本的な考え方
韓国インテリアは、特定のブランドや店舗を指す言葉ではなく、SNSや動画をきっかけに広がった「部屋づくりの傾向」を指す呼び方です。共通して挙げられる特徴として、次のような点があります。
- ホワイトやアイボリー、くすみベージュなど淡いトーンで全体をまとめる
- 木材やリネン、ラタンといった天然素材を取り入れ、質感に温かみを持たせる
- 雑貨や小物には丸みを帯びたラウンドシェイプを選び、柔らかさを演出する
- モノを減らし、空間に余白を持たせるミニマルな考え方をベースにする
「たくさん飾って華やかにする」というより、「削ぎ落として整える」という発想に近いのが特徴です。
色選びの考え方
韓国インテリアの部屋づくりでは、まずベースとなる色を淡いトーンで統一することが出発点になります。
- 壁や床など面積の大きい部分は、ホワイト・アイボリー・ライトグレーなど明るい色でまとめる
- アクセントを入れる場合も、くすみのある淡いグリーンやブラウンなど、彩度を抑えた色を選ぶ
- 原色や柄物を多用せず、色数を2〜3色程度に絞る
色を絞ることで統一感が生まれ、狭い部屋でもすっきりとした印象になりやすいとされています。
「好きな色をあれこれ足す」のではなく、「まず土台となる色を決めてから小物で変化をつける」という順番を意識すると、失敗が少なくなります。
素材・雑貨選びの考え方
色に加えて、素材感も韓国インテリアらしさを左右するポイントです。
- 木材やリネン、ラタンなど、自然な質感を持つ素材を選ぶ
- クッションやブランケットなど布ものは、肌触りのよい素材を意識する
- 雑貨や小物は、角のとがったものより丸みのあるフォルムを選ぶと、空間に柔らかさが出やすい
こうした素材・フォルムの選び方は、特定の商品を指定するものではなく、あくまで「選ぶときの基準」として意識しておくと、店舗や通販で探すときの判断材料になります。
アイテムごとに意識したい基準を整理すると、次のようになります。
韓国風インテリアのアイテムごとに意識したい基準
いずれも「高価なものをそろえる」ことが目的ではなく、色と質感の方向性をそろえることが、統一感につながるという考え方です。
賃貸でも取り入れやすい工夫
「模様替えをしたいけれど、賃貸だから大掛かりなことはできない」という声もよく聞かれます。
韓国インテリアは、壁や床を変えなくても、次のような範囲で雰囲気を近づけやすいのが利点です。
- 貼ってはがせるタイプの壁紙シートやウォールステッカーで、壁の一面だけ印象を変える
- カーテンやラグ、クッションカバーなどファブリック類を淡いトーンでまとめる
- 観葉植物やキャンドル、フレームなど小物を丸みのあるデザインでそろえる
一方で、壁に穴を開ける、原状回復が難しい施工をするといった工事は、賃貸借契約の内容によって扱いが異なります。
国土交通省が公表している『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』では、退去時の原状回復に関する一般的な考え方が整理されており、壁紙の張り替えや設備の扱いについても目安が示されています。
実際にどこまでの工事や模様替えが可能かは、管理会社や大家に事前に確認しておくと安心です。
家具配置・レイアウトの考え方
家具の配置でも、「詰め込みすぎない」ことが韓国インテリアらしさにつながります。
- 部屋の中心や動線にあたる部分には、あえて家具を置かず余白を残す
- 背の高い家具は壁側にまとめ、視線が抜けるスペースをつくる
- 大きな家具の色を壁や床の色に近づけると、圧迫感が出にくい
家具の数を減らすのが難しい場合は、色や素材のトーンをそろえるだけでも、全体としての統一感が出やすくなります。
「モノを減らす」か「色をそろえる」かは、部屋の広さや暮らし方に合わせて選んでよい部分です。
また、収納家具は扉付きのものを選び、こまごまとした生活用品を目に触れない場所にまとめておくと、余白のある印象を保ちやすくなります。
生活感のあるものを完全になくす必要はなく、「見える場所」と「隠す場所」を分けて考えるだけでも、部屋全体の印象は変わりやすいものです。
ありがちな失敗と避け方
韓国インテリアを取り入れようとして、かえってちぐはぐな印象になってしまうケースもあります。
- 色や柄を一度にたくさん取り入れてしまい、統一感がなくなる
- トレンドの小物だけを買い足し、部屋全体のバランスを考えていない
- 素材感がバラバラで、質感の温かみが伝わりにくい
こうした失敗を避けるには、「まず色を絞る」「素材や質感の方向性をそろえる」という基本を先に決めてから、小物を選んでいく順番が有効です。
一気に全部を変えようとせず、少しずつ取り入れていく進め方も、無理なく続けやすい方法だといえます。
今ある家具と組み合わせるときの考え方
「今ある家具をすべて買い替えないと取り入れられないのでは」と感じる方もいるかもしれませんが、そうとは限りません。
すでにある家具の色味に近い色をファブリックや小物で足していく、あるいは家具にカバーやクロスをかけて色味を調整するといった方法でも、印象を近づけることができます。
季節の行事や花を取り入れる場合も、一輪だけ生けて余白を残す、色数を絞った花材を選ぶといった工夫をすると、部屋全体のトーンから浮きにくくなります。
華やかさを足したいときほど、あえて数を絞る意識を持っておくと、まとまりのある印象になりやすいものです。
まとめ
韓国インテリアは、淡いトーンでの色使い、天然素材の質感、丸みのあるフォルム、そして余白を活かすミニマルな考え方が組み合わさったスタイルの傾向です。
色や素材の基本を押さえたうえで、賃貸でも取り入れやすい範囲から少しずつ試してみると、無理なく部屋の印象を変えていけます。
ご自宅の状況や好みに合わせて、心地よいと感じる形を見つけていただければと思います。
ご利用にあたっての注意
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品・サービス・業者の購入や契約を推奨・勧誘するものではありません。紹介した色・素材・配置の傾向は執筆時点でのおおよその傾向であり、個人の好みや住まいの条件によって最適な選び方は異なります。賃貸物件での壁紙の張り替えや設備の変更については、契約内容や管理会社・大家の判断によって扱いが異なるため、施工前に必ずご確認のうえ、ご自身の判断で進めてください。
参考情報
元新聞記者。ガーデニング、インテリア、植物、DIYなどの記事を執筆。華道(池坊 師範科助教・華掌)、フラワーアレンジメントにのべ10年間励み、専門的視点から解説する。一種外務員資格、行政書士試験合格。
今回の記事では、淡いトーンでの色使い、木材やリネンといった天然素材の質感、丸みのあるフォルムの小物選びといった基本の考え方を整理しました。特に、色数を2〜3色程度に絞るという点は、実際に自宅の模様替えをするときにも意識している基準で、絞り込むほど不思議と統一感が出しやすくなると実感しています。素材についても、質感の異なるものを詰め込みすぎず方向性をそろえるだけで印象がまとまりやすくなる点は、書道で使う紙や墨の質感を選ぶときの感覚とも重なります。
また、賃貸でも取り入れやすい範囲として、壁紙シートやファブリック、小物の入れ替えから始める方法にも触れました。大きな模様替えができない住まいでも、色と素材の方向性さえそろえれば、印象は十分に変えられるものです。ただし、壁に手を加えるような工事は契約内容によって扱いが異なるため、事前に管理会社や大家へ確認しておく、という点は改めて大切にしたいポイントだと感じています。家具の配置についても、部屋の中心にあえて何も置かない、収納は扉付きのものを選んでこまごまとしたものを隠す、といった工夫を紹介しましたが、これも「見せる場所」と「隠す場所」を分けるという、書のお稽古で余白を決めるときの考え方と近いものがあります。
色や素材を一気に変えようとせず、少しずつ余白を作りながら整えていく——そんな進め方を、ぜひ参考にしていただけたらうれしいです。