器具に頼らず、配置そのものを見直すという選択肢
固定器具を使わなくても、家具の置き方を工夫するだけでリスクを減らせる場合があります。
- 背の高い家具は、倒れたときに出入り口や避難経路をふさがない向きに置く
- 就寝スペースの近くには、できるだけ背の高い家具を置かない、あるいはベッドや布団の位置を家具から離す
- 重いものは家具の下段に、軽いものは上段に収納し、家具自体の重心を低く保つ
インテリアを損ねたくないという声もよく聞きますが、粘着マットやストッパーは家具の陰に隠れる位置に設置できるものが多く、見た目への影響を抑えながら対策できます。
器具の色を家具や壁の色に近いものにする、目立たない家具の背面側に設置するといった工夫も、続けやすさにつながります。
家具の配置そのものを見直す際は、「1LDKレイアウトの基本」も部屋づくりの参考になります。
賃貸契約とのトラブルを避けるために
賃貸住宅で対策を行う際は、設置前に賃貸借契約の内容や管理会社への確認を済ませておくと安心です。
粘着マットの跡が壁紙や床材に残ってしまう、突っ張り棒が天井材を傷つけてしまう、といったケースは退去時のトラブルにつながりかねません。契約内容によって、設置してよい範囲や原状回復の基準は異なります。
なお、今回ご紹介した対策はあくまで市販の器具で自分でできる範囲のものです。建物自体の耐震性や、大型の家具・什器を壁面へ造作として固定するような工事が必要な場合は、市販器具の対策だけでは十分とはいえません。
お住まいの自治体の耐震相談窓口や、建築士・専門業者へ相談することをおすすめします。
まとめ
家具の転倒防止は、器具の種類ごとの特徴を知り、賃貸でもできる方法から取り入れ、優先順位をつけて進めることがポイントです。
寝室や子ども部屋、避難経路にある背の高い家具から、できるところで構いません。一度に完璧を目指す必要はなく、一つ対策するごとにリスクは着実に減っていきます。ご自宅の状況に合わせて、無理のない範囲から始めてみてください。
防災の日に見直したい家具の転倒防止対策
ご利用にあたっての注意
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品・サービス・業者の購入や契約を推奨・勧誘するものではありません。記載の対策は市販の器具でできる範囲の一般的な情報であり、効果は家具の重さや設置状況により異なります。建物の耐震性や大型家具の固定工事など、専門的な判断が必要な場合は、お住まいの自治体の耐震相談窓口や建築士・専門業者にご相談のうえ、ご自身の判断で行ってください。
参考情報
元新聞記者。ガーデニング、インテリア、植物、DIYなどの記事を執筆。華道(池坊 師範科助教・華掌)、フラワーアレンジメントにのべ10年間励み、専門的視点から解説する。一種外務員資格、行政書士試験合格。
家具の転倒防止というテーマは、地震のニュースが流れるたびに関心が高まる一方で、日常の中では忘れられがちな備えのひとつだと、これまで多くの住まいの記事を見てきたなかで感じてきました。特に賃貸にお住まいの方から「壁に穴を開けられないから対策を諦めている」という声を耳にすることも少なくありません。
記事でご紹介した通り、突っ張り棒や粘着マット、ストッパーなど、穴を開けずにできる方法はいくつもあります。大切なのは、器具に頼りきるのではなく、家具の配置そのものを見直すことも含めて、できる範囲から少しずつ取り入れていく姿勢だと思います。寝室や子ども部屋、避難経路など、優先すべき場所から手をつけていただければ十分ですし、粘着マットやストッパーは家具の陰に設置できるものも多く、インテリアの見た目を大きく損ねずに対策できる点も心強いところです。設置してからも、緩みや粘着力の低下がないか、たまに確認する習慣を持っておくと安心です。
背の高い家具は倒れたときに出入り口をふさがない向きに置く、重いものは下段に軽いものは上段に収納して家具自体の重心を低く保つといった、器具に頼らない工夫も記事の中でお伝えしました。特別な道具を買わなくても、今日から見直せる部分があるというのは、対策を始めるうえで気負わずに済むポイントだと感じています。数多くの住まいの記事を見てきたなかでも、こうした小さな見直しの積み重ねが、いざというときの差につながると実感しています。
賃貸にお住まいの場合は、設置前に賃貸借契約の内容や管理会社への確認を済ませておくと、退去時のトラブルも避けやすくなります。高齢のご家族と暮らしている場合は、就寝スペースの近くに背の高い家具を置かないようにするなど、配置そのものを見直すことも選択肢のひとつです。建物自体の耐震性や大きな家具の固定工事のように、専門的な判断が必要な部分については、自治体の窓口や専門業者に相談するという選択肢があることも、あわせて知っておいていただけたらと思います。