この記事はここがポイント
- ガレージ建築では費用に加え、法律・税金面の検討が不可欠
- 確認申請は10m²以下増改築や地域、固定資産税は3要件での判断
- 判断は個別の条件で異なり、専門家への相談が必須
「車やバイクを雨風から守れる場所が欲しい」「趣味の作業スペースも兼ねたガレージを建てたい」——趣味の友人と話しているとこうした声を耳にすることも多いです。
ただ、ガレージは一般的な内装リフォームとは違い、建築確認申請が必要になるかどうか、固定資産税がかかるかどうかといった、法律や税金にまつわる注意点があります。
そこで今回は、ガレージの主な形態と費用の考え方、建築確認申請・固定資産税の基本的な判断基準、そしてDIYでできる範囲と専門業者に依頼すべき範囲を整理していきます。断定できない部分は、確認先の窓口とあわせてご紹介します。
法務ライターとして制度の基礎に触れてきた身としても、ガレージは「建てたい」という気持ちだけで進めると、建築確認申請や固定資産税の落とし穴にはまりやすいテーマだと感じています。簡易な組立式だから大丈夫、と思い込んでしまうケースもあるようです。今回は、ガレージの形態ごとの違いから、確認申請・固定資産税の判断基準、DIYでできる範囲まで、順を追って整理しました。
ガレージには3つの形態があり、法律・税金の扱いに影響する
ガレージ(車庫)の主な3形態
どの形態を選ぶかによって、後述する建築確認申請の要否や固定資産税の課税対象になるかどうかが変わってきます。
新築・建て替えのタイミングで検討する方はビルトイン型と独立型を比較しやすく、既存の戸建てに後付けする方は簡易組立型も候補になりやすいでしょう。
車・バイクを2台以上保有するご家庭では「親子ガレージ」(縦列に2台分を収める形式)を検討する方もいますが、この場合も設置場所の奥行きや搬入経路の確保が必要になるため、早い段階で施工会社に相談しておくと安心です。
費用は形態・規模・仕様で大きく変わる
ガレージの費用は、簡易組立型か、独立した建築物として基礎工事から行うタイプかで大きく変わります。
屋根・壁の有無、シャッターや電気設備の有無、仕上げのグレードによっても総額は変動するため、この記事では特定の金額を示すのではなく、比較する際に確認しておきたい項目を整理します。
- 基礎工事の有無と規模
- 屋根・壁の構造(開放型か、囲われた構造か)
- シャッター・電動シャッターなどの付帯設備
- 電気設備(照明・コンセント)の有無
- 内装・収納・棚などの仕上げ
正確な総額は、これらの条件をそろえたうえで複数の施工会社に見積もりを依頼し、比較することをおすすめします。
見積もりの内訳(本体・基礎工事・電気工事・諸経費)が分かれて記載されているかも、依頼先を選ぶ際の確認ポイントになります。
建築確認申請が必要かどうかは「規模」と「地域」で変わる
建築基準法第2条第1号によると、屋根と柱または壁がある土地に定着した工作物は「建築物」として扱われます。
ガレージも柱・壁・屋根を備えた構造であれば建築物に該当するため、原則として建築確認申請が必要になります。
ただし、建築基準法6条2項では、防火地域および準防火地域外において、増築・改築・移転にかかる部分の床面積の合計が10平方メートル以内である場合は、この確認申請の規定を適用しないと定められています。
この緩和規定はあくまで「増築・改築・移転」を対象としたものであり、更地に新築する場合は対象外となる点に留意が必要です。
つまり、防火地域・準防火地域に該当する場合や、10平方メートルを超える場合は、規模にかかわらず確認申請が必要になるケースがあるということです。
ご自宅の敷地が防火地域・準防火地域に該当するかどうかは、都市計画に関する情報として自治体が公開しています。
確認申請の要否は個別の敷地条件によって判断が分かれるため、最終的な判断は自治体の建築指導課や建築士に確認することをおすすめします。
確認申請の要否
元新聞記者。ガーデニング、インテリア、植物、DIYなどの記事を執筆。華道(池坊 師範科助教・華掌)、フラワーアレンジメントにのべ10年間励み、専門的視点から解説する。一種外務員資格、行政書士試験合格。