この記事はここがポイント
- 賃貸DIYは壁を傷つけない突っ張り棒式や置き型が基本。壁固定は下地センサーや針式下地探し器で下地確認
- 100均材料は費用を抑えるが耐荷重に限りあり。重い物にはホームセンターの材料選び
- 電動ドライバー使用時は保護メガネ着用とビス固定確認を徹底。不安時は専門業者に相談
「収納スペースがもう少しあれば…」そう感じてすきま時間に収納グッズを検索したことがある方は、意外と多いのではないでしょうか。
筆者自身も暮らしまわりの工夫について周囲と情報を交換するたびに、こうした「ちょっとした収納の悩み」がいかに身近かを実感させられます。
最近は100円ショップやホームセンターの材料を使って、棚を自分で作る「棚DIY」に関心を持つ方が増えています。
市販の棚を買うよりも費用を抑えられ、すきまのサイズにぴったり合わせられるのが魅力ですが、その一方で「賃貸だから壁を傷つけたくない」「工具の扱いに自信がない」という不安の声もよく耳にします。
そこで今回は、棚DIYの基本的な手順と材料選び、そして壁を傷つけないための工夫について整理してご紹介します。
賃貸だから壁を傷つけたくないという悩みは本当によく耳にするテーマです。置き型・壁面収納タイプ・突っ張り棒式という3タイプのうち、まず突っ張り棒式や置き型から試してみるのがおすすめです。ご自宅の状況や予算に合わせて、無理のない範囲で棚DIYを楽しんでいただければ幸いです。
棚DIYにはどんな方法があるのか知っておく
棚DIYと一口に言っても、方法はいくつかあります。大きく分けると、床や台の上に置く「置き型」、壁に固定する「壁面収納タイプ」、そして壁に穴を開けずに使える「突っ張り棒式」の3タイプです。
ゼロから作るのではなく、既製品から選びたい場合は、設置場所別の選び方や地震対策も含めて「収納棚の選び方ガイド」の記事で詳しく解説しています。
壁DIYの3タイプの特徴
賃貸住宅にお住まいの方や、退去時の原状回復費用が気になる方には、まず突っ張り棒式や置き型から検討するのがおすすめです。
一方、しっかりとした耐荷重を求める場合や持ち家であれば、壁面収納タイプも選択肢に入ってきます。
トイレ・クローゼット・押入れの隙間を活かすには
「トイレの棚DIY」「クローゼットの棚DIY」といった、狭いスペースに特化した棚づくりへの関心も高まっています。
こうした場所は奥行きや高さが限られていることが多いため、まずは市販の棚を当てはめるのではなく、すきまのサイズを正確に採寸してから木材をカットする、あるいはカット済みの木材を選ぶのがポイントです。
トイレのような湿気がこもりやすい場所では、木材の種類によっては湿気で反りやすいものもあるため、置き場所の湿度も踏まえて材料を選ぶとよいでしょう。
押入れの場合は、奥行きが深く重いものを収納しがちなので、棚板のたわみを防ぐために棚受けの本数を増やすといった工夫も効果的です。
作った棚に「収納ボックス」を組み合わせると、細かいものもすっきり整理できます。「収納ボックスの選び方ガイド」の記事も参考にしてみてくださいね。
材料や工具は何を揃えればいいのか
棚DIYをするには材料や工具は何を揃えればいい?
棚DIYに必要な材料・工具の目安は、次のようなものです。
- 木材(すのこや2×4材など、加工のしやすいものが人気です)
- ビス・ネジ、L字金具や棚受け
- 電動ドライバー
- 下地センサー(壁に固定する場合)
100円ショップの材料だけで作る棚は、費用を抑えられる分、耐荷重には限りがある点も知っておきたいポイントです。
重いものを載せる予定がある場合は、ホームセンターでしっかりした木材や金具を選ぶと安心感が違います。
作り方の大まかな流れは、次のようになります。
- 採寸:設置したい場所の幅・奥行き・高さを測ります。
- 材料・工具の準備:木材や金具、工具をそろえます。木材はホームセンターでカットしてもらえることも多く、自宅での作業がぐっと楽になります。
- 組み立て・固定:置き型ならビスで箱状に組み立て、壁面収納タイプなら下地を確認しながら固定します。
- 仕上げ:ヤスリで角を整えたり、好みで塗装したりして完成です。
すのこを使った棚は、板がすでにある程度組まれているため、初めての棚DIYにも取り組みやすい材料としてよく挙げられます。
壁に固定する場合、傷つけずに取り付けるには
壁面収納タイプを検討する際、まず知っておきたいのが「石膏ボード」の壁の性質です。日本の住宅の壁の多くは石膏ボードでできており、そこにそのままビスを打っても、重いものを支える強度は期待できません。
そこで役立つのが「下地センサー」です。壁の内部にある木材(下地・間柱)の位置を探知する道具で、下地の位置にビスを固定することで、棚をしっかりと支えられるようになります。
下地探し用の測定機器メーカーの技術情報によると、下地センサーは、壁より密度の高い物体が近づいたときの「静電容量の変化」を検知して、アタリがある場所を音や光で知らせてくれる仕組みになっています。
使う際の重要なポイントは、お住まいの住宅の工法(壁裏の構造)によって動かす方向を変えることです。縦に並ぶ柱(間柱)を探す「ツーバイフォー工法」などの場合は、製品を縦にして左右にゆっくりスライドさせます。
一方、横向きの木材(胴縁)に石膏ボードが貼られている「在来工法」などの場合は、製品を横にして上下にゆっくりスライドさせて探知します。なお、センサーは壁裏の密度を測る仕組みのため、木材以外の金属管などに反応する場合もあります。
石膏ボードの壁裏下地をより確実に、安全に特定したいときは、下地センサーである程度の位置を確認したあと、針を刺して手の感触で木材の有無を確認できる「針式の下地探し器」をセットで使うのがおすすめです。
賃貸住宅で気をつけたいポイントとは
賃貸マンションであっても、置き型の棚であれば、壁を傷つける心配をせずに収納スペースを増やせます
「壁に穴を開けたら退去のときにお金を取られるのでは」という不安もよく耳にする悩みのひとつです。
国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、通常の生活で生じる自然な損耗は原則として貸主負担とされる一方、故意・過失や通常の使用を超える損耗は借主負担になり得るとされています。
ビス穴についても、程度によって扱いが変わってくる可能性があるため、一律に「小さな穴なら大丈夫」と言い切れるものではありません。
不安な場合は、壁に穴を開けないタイプの棚を選ぶのも一つの方法です。突っ張り棒式の棚柱や、置き型の棚であれば、壁を傷つける心配をせずに収納スペースを増やせます。
契約内容によっても扱いが異なるため、心配な方は事前に契約書を確認しておくと安心です。
安全に作業を進めるために
電動ドライバーなどの工具を使う際は、保護メガネを着用し、周囲に人や物がないか確認してから作業を始めましょう。棚板が落下すると思わぬケガにつながることもあるため、組み立て段階でビスがしっかり固定されているかも確認しておきたいところです。
耐荷重を増やしたい場合は、棚受けや棚柱の本数を増やす、間隔を狭くするといった工夫も効果的です。棚板1枚に本や食器など重いものをまとめて載せる予定がある場合は、少し余裕を持たせた本数で固定しておくと、後々の安心感につながります。
また、電動ドライバーの扱いに慣れていない場合は、まずは小さな置き型の棚から作り始めて、道具の使い方に慣れてから壁面収納タイプに挑戦するという進め方もおすすめです。
大掛かりな壁面収納や、取り付けに不安がある場合は、無理をせず専門の業者に相談する選択肢もあります。
まとめ
棚DIYの主な方法、材料・工具の選び方、そして壁を傷つけないための工夫について整理してきました。賃貸住宅にお住まいの方は、まず穴を開けないタイプから試してみて、必要に応じて壁面収納タイプにステップアップしていくのもおすすめです。
ご自宅の状況や予算に合わせて、無理のない範囲で取り入れてみてはいかがでしょうか。
「棚DIY」で、すきまも収納も自分好みに
ご利用にあたっての注意
- 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の工具・建材メーカーやホームセンターでの購入を推奨・勧誘するものではありません。
- 記載の内容は執筆時点(2026年7月時点)の情報に基づく一般的なものであり、賃貸契約における原状回復の扱いは物件・契約内容によって異なります。
- 詳細については、賃貸借契約書の内容確認や、貸主・管理会社への事前相談をおすすめします。
- 大掛かりな壁面収納の取り付けや、作業に不安がある場合は、無理をせず専門の業者にご相談ください。
参考情報
元新聞記者。ガーデニング、インテリア、植物、DIYなどの記事を執筆。華道(池坊 師範科助教・華掌)、フラワーアレンジメントにのべ10年間励み、専門的視点から解説する。一種外務員資格、行政書士試験合格。
収納の悩みは暮らしのなかでとても身近なテーマだと日々感じていますが、100円ショップやホームセンターの材料で棚を自分で作る「棚DIY」は、費用を抑えられるうえにすきまのサイズにぴったり合わせられるのが魅力だと思い、今回ご紹介しました。
トイレやクローゼット、押入れのような限られたスペースでは、まず正確に採寸することが第一歩。湿気がこもりやすいトイレでは木材の反りにも注意が必要ですし、押入れでは棚板のたわみを防ぐために棚受けの本数を増やすといった工夫も効果的ですよ。
材料選びでは、すのこや2×4材のような加工のしやすい木材や、電動ドライバー・下地センサーといった工具の目安を整理しました。特に下地センサーは、壁裏の密度の変化を検知して柱の位置を知らせてくれる仕組みで、住宅の工法によって動かす方向を変える必要があるという点は、実際に使う際に知っておいていただきたいポイントです。
電動ドライバーの扱いに不安がある場合は、小さな置き型の棚から始めてみるのがおすすめです。無理をせず、必要に応じて専門の業者にも相談しながら進めてみてくださいね。