この記事はここがポイント
- 庭木を選ぶ際は、購入時のサイズではなく、成長後の最終的な高さ(樹高)や横への広がりを確認することが大切です。
- 木の分類のひとつに「樹高による分類」があり、庭の広さやシンボルツリーなどの目的に応じて選びます。
- 樹高のほかに、季節の移ろいを楽しめる「落葉樹」か、一年中葉が茂り目隠しになる「常緑樹」かも大切です。
「庭や玄関先に、家の顔となるようなシンボルツリーを植えたい」「コンパクトな庭木を取り入れて、外観をもっとおしゃれにしたい」など、庭や玄関先に庭木を植えたいと思ったとき、どうやって選べばいいのでしょうか。
見た目や好みだけで苗木を選んでしまうと、数年後に大きくなりすぎて「お手入れが大変になった…」「建物や外壁などに亀裂が入った…」と後悔してしまうことも少なくありません。
そこで、まず最初に知っておきたいのが「樹高(木の最終的な高さ)」です。
植物のラベルや図鑑によく書かれている「低木」や「中木」といった言葉の意味を知ることは、理想の庭づくりへの第一歩。この記事では、庭づくり初心者さんに向けて、庭木の高さによる分類と代表的な庭木を分かりやすく解説します。
庭木の「高さの分類」を知ろう
庭や玄関先のシンボルツリー、アクセント、立体感、背景など、さまざまに活躍する「庭木」。この分類のひとつに「樹高(最終的な木の高さ)」があります。
植えたい場所に適したサイズの庭木を選ぶために、まずは、樹高の分類をチェックしておきましょう。
庭木の高さによる分類表
- 小低木(約1.5m以下): 人の背丈より低い木。足元の彩りやグランドカバーとして活躍し、狭い庭や玄関先にも植えやすいサイズです。
- 低木(約1.5m~3m): 人の背丈と同じか少し高い木。目隠しや玄関先・狭い庭の小さなシンボルツリーとして扱いやすいサイズです。
- 中木(約3m~5m): 1階の屋根に届く程度の高さ。現代の住宅事情に合わせやすく、手ごろなサイズのシンボルツリーとして取り入れやすい庭木です。「小高木」と呼ばれることもあります。
- 高木(約5m以上): 2階の窓や屋根を超える高さ。広々としたお庭の立派なシンボルツリーになります。成長がゆっくりな庭木や横に広がらない樹形のものを選べば、現代の住宅事情にもマッチします。
樹高の分類は職種(林業・建築・造園・行政など)や企業などによってさまざまで、明確に決まっているわけではありません。ここでは、庭木に使われることの多い分類を紹介しています。
樹木を選ぶ際は、買ったときのサイズではなく「最終的にどれくらい大きくなるか(樹高と横への広がり)」を必ず確認しましょう。
狭いスペースに高木を植えてしまうと、剪定(せんてい)などのお手入れが大変になってしまうだけでなく、建物を傷付けてしまうこともあります。
また、植え付けた場所のスペースや日当たり、気候などの環境によって最高樹高は異なりますので、注意してください。
樹高別の特徴とおすすめの庭木
それぞれの分類について、庭に植えた場合の特徴と、手入れがしやすく初心者でも育てやすい代表的な樹種をご紹介します。
【小低木】樹高約1.5m以下で足元を彩る:ジンチョウゲ・オタフクナンテンなど
ジンチョウゲ
オタフクナンテン
人の背丈より低く、足元の彩りやアクセントとして活躍する植物です。スペースを取らないため、狭い庭や玄関先の小さなスペースなどに適しています。
春先に甘い香りの白い花を咲かせる「ジンチョウゲ」や、常緑樹ながら秋から冬に真っ赤な紅葉が楽しめる「オタフクナンテン」などがおすすめです。
【低木】樹高約1.5m ~ 3mで目隠しや玄関先のシンボルツリーに:プリペット・フヨウなど
プリペット
フヨウ
人の背丈と同じくらいか、少し超えるくらいの高さまで成長する木です。外からの視線を遮る目隠しや、玄関先・狭い庭の小さなシンボルツリーとして活躍してくれます。
初夏に白い小花を咲かせ、おしゃれな生垣として活躍する「プリペット」や、真夏に美しい花を咲かせる「フヨウ」などがおすすめです。
【中木】樹高約3m ~ 5mで手ごろなサイズのシンボルツリーに:フェイジョア、マルバノキなど
フェイジョア
マルバノキ
1階の屋根に届く程度の高さまで成長する中木。大きくなりすぎないため剪定などのお手入れがしやすく、玄関先や狭い庭に植える「扱いやすいサイズのシンボルツリー」として選びやすい庭木です。
エキゾチックな雰囲気で果樹としても楽しめる「フェイジョア」や、ハート形の葉が愛らしい「マルバノキ」などがおすすめです。
【高木】樹高5m以上に成長し、存在感のあるシンボルツリーに:アオダモ・ヤマボウシなど
ソヨゴ
ヤマボウシ
2階の窓辺や屋根を超える高さに成長する木で、広々としたお庭の立派なメインツリーとして涼しい木陰を作ってくれる高木。5mを超えて成長するため、広いスペースと、定期的な剪定などのお手入れが必要です。
ただし、成長がゆっくりな庭木やあまり横に広がらない樹形のものを選べば、近年の生活スタイルや住宅事情でも育てやすい素敵なシンボルツリーになりますよ。
成長がゆっくりでシンボルツリーにおすすめの庭木は、ナチュラルで爽やかな雰囲気が魅力のソヨゴや、初夏に白い花を咲かせるヤマボウシなど。
最終的には大きくなる庭木ですので、定期的な剪定を行いながら楽しみましょう。
もう一つの大切な分類「落葉樹」と「常緑樹」
樹木を選ぶ際、高さの分類とともに、もうひとつチェックしておきたい重要なポイントが「冬に葉を落とすかどうか」です。
落葉樹(らくようじゅ)
秋に紅葉し、冬には葉が落ちる木です。季節の移ろいを楽しめるだけでなく、「夏は葉が日差しを遮り、冬は葉が落ちて暖かい日差しをお部屋に入れてくれる」というメリットがあります。
常緑樹(じょうりょくじゅ)
1年を通して葉が茂っている木です。冬でも寂しくならず、外からの視線を遮る「目隠し」として植えるなら常緑樹が向いています。
常緑樹でも、「寒さが苦手」などの理由で地域によっては冬に葉を落とす場合があり、このような性質を「半落葉」と呼んで区別することもあります。
長く付き合っていく庭木を選ぶなら、成長した後のサイズをイメージすることが大切です。加えて、成長スピードや冬に葉が落ちるのかなど、掃除やお手入れの手間も考えながら検討しましょう。
お庭のシンボルツリーやアクセント、玄関先の小さなスペースに植える木など、庭木選びに迷ったら、この記事を参考にしてみてくださいね。
樹木医、1級造園施工管理技士。テーマパークの植栽管理業務に7年間従事し、植物のメンテナンスや樹木診断、空間演出に携わる。現在はくらしとお金の経済メディア「LIMO」にてガーデニングおよびアウトドア分野の記事執筆・監修を担当。
