この記事はここがポイント
- リビング収納を片づける基本は、家具の種類や設置場所ごとに収納物の役割を決めること。
- 造作収納と後付け家具は間取りや変更しやすさで選択し、狭い空間では壁面や縦の空間活用が有効。
- 自分の暮らし方に合わせた実例を参考に、部屋の雰囲気に合う素材・色を選び、購入前の搬入経路や寸法の確認が不可欠。
家族が集まるリビングは、テレビ周りの機器や子どものおもちゃ、書類、日用品など、あらゆるものが集まりやすい場所です。「収納棚を置いているのに、なぜかリビングが片づかない」「何をどこにしまえばいいのか分からない」——そんなお悩みを抱えていませんか。
そこで今回は、リビング収納の家具・場所ごとの収納物の考え方と、狭いリビングでも収納力を確保する工夫、造作収納と後付け家具の選び方を、順を追ってご紹介します。
特定の商品・ブランドをおすすめする記事ではなく、どんなリビングにも応用できる「選び方の基準」をお伝えするのがねらいです。
書道や華道で"余白"や季節のしつらえに向き合ってきた経験からも、収納は「隠す」と「見せる」のバランスをどう取るかが、暮らしやすさを大きく左右すると感じています。今回は、家具・場所ごとの収納物の考え方から、狭い空間でも収納力を確保する工夫、そして造作収納と後付け家具どちらを選ぶべきかの基準まで、購入前に確認したいチェックポイントも含めて順を追ってご紹介しました。
「何を入れるか」は家具・場所ごとに役割を決めると片づく
家具メーカーのWOW(ワウ)によると、リビング収納は家具の種類・設置場所ごとに、収納する物の役割を決めておくと機能しやすくなるとされています。
【リビング収納】家具の種類・設置場所ごとの整理表
「とりあえず空いているところに入れる」のではなく、高さ・扉の有無・取り出しやすさという家具の特性に合わせて収納物を割り当てることが、片づく収納の第一歩になります。
収納家具の主なタイプと選び方
リビング収納に使う家具には、主に次のようなタイプがあります。
- テレビボード一体型:テレビ台と収納がセットになったタイプ。配線もまとめやすい
- 壁面収納:床から天井近くまで、縦の空間を活かせるタイプ
- オープンラック:扉がなく、見せる収納として使うタイプ
- 扉付きキャビネット:生活感のある物を隠しながら収納できるタイプ
見せたい物と隠したい物を分けて考え、オープンラックと扉付きキャビネットを組み合わせるなど、複数のタイプを使い分けると、見た目の統一感と実用性を両立させやすくなります。
造作収納と後付け家具、どちらを選ぶか
新築・リフォームを検討する場合、リビング収納を壁に作り付ける「造作収納」にするか、市販の「後付け家具」にするかで迷う方も多いのではないでしょうか。
「造作収納」と「後付け家具」の特徴
造作収納を検討する場合は、設計段階でコンセントの位置、照明との干渉、搬入経路まで確認しておくと、完成後の使い勝手に差が出にくくなります。
どちらか一方に決めきれない場合は、テレビボード周りは造作、それ以外は可動式の家具で対応するなど、部分的に組み合わせる方法も選択肢になります。
狭いリビングでも収納力を確保する工夫
WOW(ワウ)の解説でも、収納がない場合はウォールシェルフ(壁掛け棚)を活用し、床面を空けながら空間を広く見せる方法が紹介されています。
床に置く家具を増やす代わりに、壁面や縦の空間を活かすと、床面積を圧迫せずに収納力を確保しやすくなります。
- 壁掛けタイプの棚・ラックで、床面積を使わずに収納を追加する
- 背の高い収納家具を選び、上部までしっかり収納力を確保する
- ソファ下やテレビボード下などのデッドスペースを活かす
とくにワンルームやリビング・ダイニングが一体になった間取りでは、床に物を置きすぎると視界が遮られ、部屋が狭く感じられやすくなります。縦の空間を使う収納を優先すると、限られた床面積でも圧迫感を抑えやすくなります。
生活感を隠しつつ来客時にも整った印象にする
リビングは家族がくつろぐ場所であると同時に、来客を迎える場所でもあります。両方の機能を両立させるには、次のような工夫が有効です。
- 扉付き・引き出し付きの収納で、細々とした日用品を目隠しする
- よく使う物は取り出しやすい位置に、来客時に見られたくない物は扉の中に
- 子どものおもちゃは、専用のボックスやバスケットにまとめて置き場所を固定する
「使うときは取り出しやすく、使わないときは目立たない」という2つの状態を両立させることが、家族にとって使いやすく、かつ来客時にも整って見えるリビング収納の考え方です。
収納実例からヒントを得るときの見方
SNSや施工事例サイトでは、造作の壁面収納やベンチ兼収納など、さまざまなリビング収納の実例が紹介されています。実例を参考にする際は、デザインの好みだけでなく「どんな暮らし方に合わせて作られたものか」という視点で見ると、自分の部屋に取り入れやすくなります。
- 子育て世帯の実例なら、おもちゃの量・出し入れのしやすさに注目する
- 在宅ワークを併用する実例なら、書類・PC周辺機器の収納方法に注目する
- 猫・犬などペットと暮らす実例なら、ペット用品の収納やいたずら防止の工夫に注目する
同じ「リビング収納」でも、家族構成や暮らし方によって最適な形は変わります。実例をそのまま真似るのではなく、「自分の暮らしに置き換えるとどうなるか」を考えながら参考にすると、実際の使い勝手に近づけやすくなります。
部屋の雰囲気に合わせた素材・色の選び方
収納家具は面積が大きく、部屋全体の印象を左右しやすいアイテムです。北欧テイスト・ナチュラルテイストなど、目指す雰囲気に合わせて素材・色を選ぶと、収納力だけでなく見た目の統一感も両立させやすくなります。
テイスト別の配色・素材の特徴
床材やソファなど、すでにある家具の色味に合わせて収納家具を選ぶと、テーブルや棚だけが浮いた印象になりにくくなります。部屋全体で使う色数を2〜3色程度に絞ると、収納量が多くても雑然とした印象になりにくいという点も、選ぶ際に意識しておきたいポイントです。
購入前に確認しておきたいチェックポイント
収納家具を選ぶ前に、次の点を確認しておくと、設置後のミスマッチを防ぎやすくなります。
- 設置スペースの寸法:幅・奥行き・高さに加え、扉や引き出しを開けたときに必要なスペースも確認する
- 搬入経路:玄関・廊下・階段の幅、エレベーターの寸法(マンションの場合)
- コンセント・配線の位置:テレビボード等、家電と組み合わせる場合は特に重要
- 収納する物の量:現在の持ち物の量から、必要な収納力を逆算する
とくに搬入経路の確認は見落とされがちですが、購入後に運び込めないというトラブルを避けるため、事前にメジャーで実測しておくと安心です。
まとめ
リビング収納は、家具・場所ごとに収納する物の役割を決めることが、片づく収納の基本になります。
造作収納にするか後付け家具にするかは、間取りの自由度や設置後の変更のしやすさで選び分け、狭いリビングでは壁面や縦の空間を活かす工夫が有効です。
今回ご紹介した基準を参考に、無理のない範囲でご自宅のリビングに合った収納方法を探してみてはいかがでしょうか。
収納する物の役割を決めておくことが第一歩
ご利用にあたっての注意
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品・ブランド・店舗の購入を推奨・勧誘するものではありません。記載の内容は執筆時点(2026年8月)の一般的な情報に基づく目安です。造作収納の費用・仕様は住宅の条件によって異なるため、詳細は施工会社・メーカーの公式情報でご確認ください。
参考情報
元新聞記者。ガーデニング、インテリア、植物、DIYなどの記事を執筆。華道(池坊 師範科助教・華掌)、フラワーアレンジメントにのべ10年間励み、専門的視点から解説する。一種外務員資格、行政書士試験合格。
記事のなかでご紹介したとおり、収納は「とりあえず空いているところに入れる」のではなく、家具の高さ・扉の有無・取り出しやすさに合わせて、収納する物の役割を決めておくことが片づく収納の第一歩になります。私自身、来客の予定があるときとないときとで、見せる収納と隠す収納の配分を少し変えることがあるのですが、これは記事内で触れられていた「生活感を隠しつつ、来客時にも整った印象にする」という考え方そのものだと感じました。子どものおもちゃ、書類、日用品など、リビングに集まりやすい物ほど、あらかじめ置き場所を決めておくことの大切さも、あらためて実感しています。また、収納家具は部屋全体の印象を左右しやすいアイテムだからこそ、床材やソファの色味に合わせて素材・色を選び、使う色数を絞り込むという視点も、しつらえを整えるうえで大切にしたいポイントだと感じました。
造作収納・後付け家具のどちらを選ぶかは、正解がひとつではないからこそ悩ましいところですが、設計段階でコンセントの位置や搬入経路まで確認しておくと安心、という記事内のポイントは、実際に収納を検討する際にはぜひ押さえておいていただきたいところです。子育て世帯なのか、在宅ワークを併用しているのか、ペットと暮らしているのかによって、必要な収納の形は変わってくるという記事の視点も、しつらえを考えるうえでの本質を突いているように感じました。SNSや施工事例の実例をそのまま真似るのではなく、「どんな暮らし方に合わせて作られたものか」という視点でヒントを拾い、ご自身の暮らし方に置き換えて考えることも大切にしたいところです。ご自宅のリビングに合った収納の形を見つける手がかりとして、今回の記事を役立てていただけたらうれしいです。