家族みんなが分かる「置き場所の共有」
収納場所を分散させるほど、家族の中で「どこに何をしまったか」が共有されていないと、いざというときに探し回ることになりかねません。
特に高齢の家族と同居・近居している場合は、常備薬や老眼鏡など個別に必要なものの置き場所も含めて、家族間での共有が欠かせません。
- 収納場所の一覧を紙やスマートフォンのメモにまとめ、家族の目につく場所に貼っておく
- ペットがいる家庭は、ペット用のフード・トイレ用品の置き場所も忘れずに加える
- 乳幼児がいる家庭は、ミルクやおむつなど月齢に応じて中身が変わるものを優先的に把握しておく
- 高齢の家族と同居・近居している場合は、常備薬・老眼鏡・補聴器の電池など、その方にしか分からない持ち物の置き場所も一緒に確認しておく
こうした個別の持ち物は、本人が元気なうちに家族へ伝えておかないと、いざというときに誰も把握していないという事態になりかねません。
「防災の話」として構えるのではなく、「置き場所の確認」という軽い切り口で聞いてみるのも一つの方法です。
一度リストを作って終わりにせず、季節の変わり目や『防災の日』(9月1日)のタイミングで見直す習慣にすると、中身の入れ替えと置き場所の確認を同時に行いやすくなります。
ローリングストックで無理なく管理する
食品や水は、備えたまま使わずにいると賞味期限切れに気づかず処分することになりがちです。
農林水産省が案内する「ローリングストック」は、普段の食事で使う食品や飲料水を少し多めに買い置きし、使った分から順に買い足していく方法です。
特別な非常食だけに頼らず、普段の買い物のサイクルに備蓄を組み込めるため、収納の中身が自然と入れ替わり、気づいたら賞味期限切れだったという事態を防ぎやすくなります。
キッチン収納の一角を「ローリングストック用のスペース」と決めておくと、日々の在庫確認もしやすくなります。
対象は缶詰やレトルト食品、乾麺、飲料水など、ふだんの食卓でも使う日持ちのする食品で構いません。
新しく買ったものを奥へ、古いものを手前に並べ替えておくと、自然と古いものから消費する流れができます。特別な献立を用意する必要はなく、普段の食事の延長として続けられる点が、この方法の続けやすさにつながっています。
まとめ
防災グッズの収納は、持ち出す用と置いておく用を分けること、一箇所に集中させず分散させること、そして家族で置き場所を共有しておくことが土台になります。
特別な収納グッズをそろえなくても、今ある収納スペースの使い方を見直すところから始められます。ご自宅の間取りや家族構成に合わせて、無理のない範囲から取り入れてみてください。
まずはご自宅の収納を少しのぞいてみて
ご利用にあたっての注意
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品・サービス・業者の購入や契約を推奨・勧誘するものではありません。記載の備蓄量や制度・案内内容は執筆時点の目安であり、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。ご家庭の状況に応じた備え方については、お住まいの自治体の防災担当窓口にもあわせてご相談されることをおすすめします。
参考情報
元新聞記者。ガーデニング、インテリア、植物、DIYなどの記事を執筆。華道(池坊 師範科助教・華掌)、フラワーアレンジメントにのべ10年間励み、専門的視点から解説する。一種外務員資格、行政書士試験合格。
収納用品にこだわりすぎず、今ある場所を活かすという発想は、実は書道や華道の道具の仕舞い方にも通じるところがあります。決まった場所に、決まった形でしまうからこそ、次に使うときにすぐ取り出せる——防災グッズの収納にも、同じ考え方が生きると感じながら記事を書きました。
今回特にお伝えしたかったのは、「持ち出す用」と「置いておく用」を分けて考えるという整理の仕方です。この2つを混同してしまうと、非常持ち出し袋が重くなりすぎたり、逆に在宅避難用の備蓄が玄関に山積みになってしまったりと、かえって使いにくくなってしまいます。加えて、水や食品はキッチンとリビングの両方に少しずつ、懐中電灯は寝室と玄関の両方に、というように分散して収納しておくことで、自宅の一部が使えなくなったときの不安も和らげられます。玄関収納の下段や扉裏、クローゼットの上段、階段下の奥といった、今あるすき間を活かすだけでも十分な工夫になります。
食品や水の管理については、ローリングストックという考え方も記事の中でご紹介しました。普段の食事で使う食品を少し多めに買い置きし、使った分から買い足していくだけなので、特別な非常食を用意しなくても、気づいたら賞味期限が切れていたという事態を防ぎやすくなります。キッチン収納の一角を専用のスペースと決めておくだけで、日々の在庫確認もぐっと楽になります。
高齢のご家族と暮らしている方や、小さなお子さんがいるご家庭では、常備薬やミルク、おむつなど、その方にしか分からない持ち物の置き場所を共有しておくことも忘れずに。食品や水はローリングストックで循環させれば、備えたまま賞味期限が切れてしまうという事態も防ぎやすくなります。一度リストを作って終わりにせず、季節の変わり目や『防災の日』のタイミングで見直す習慣にすると、中身の入れ替えと置き場所の確認を同時に行いやすくなります。まずはご自宅の収納を少しのぞいてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。