この記事はここがポイント
- リフォーム補助金は、国の『住宅省エネ2026キャンペーン』と自治体独自の制度の2種類。
- 申請は登録事業者が代行し、予算上限到達で早期終了する可能性。
- 国の補助金と自治体制度は併用可能だが、介護保険の住宅改修費は別制度で支給上限20万円。
窓の交換や給湯器の買い替えなど、リフォームを考えたときに気になるのが補助金の存在ではないでしょうか。「使える制度があるなら活用したいけれど、種類が多くて何から調べればいいかわからない」というお悩みは少なくありません。
補助金には、国が実施する制度と、都道府県・市区町村が独自に実施する制度の2種類があります。それぞれ対象工事や申請の窓口が異なるため、まず全体像を押さえておくことが大切です。
そこで今回は、2026年時点で利用できる国のリフォーム補助金の概要と、対象工事、申請の流れ、そして見落としがちな自治体補助金や介護保険の住宅改修費との違いまで、順を追って整理していきます。
リフォーム補助金には「国の制度」と「自治体の制度」がある
リフォームの補助金は、大きく分けて次の2つの系統があります。
- 国の補助金:省エネ性能の向上を目的に、国土交通省・経済産業省・環境省が連携して実施
- 自治体の補助金:都道府県・市区町村が、それぞれの地域事情に応じて独自に実施
このうち国の代表的な制度が『住宅省エネ2026キャンペーン』です。新築とリフォームを対象にした複数の補助事業をまとめた枠組みで、一部を除きほとんどの世帯が利用対象になります。
一方、自治体の補助金は地域によって内容が大きく異なります。「お住まいの自治体名+リフォーム+補助金」で検索し、個別に確認することが必要です。
たとえば東京都では、高断熱窓・高断熱ドア・断熱浴槽の設置など、既存住宅の省エネ改修を対象にした支援制度が複数用意されています。
『住宅省エネ2026キャンペーン』の対象工事【2026年7月時点】
『住宅省エネ2026キャンペーン』は、次の4つの事業で構成されています。
- 『みらいエコ住宅2026事業』:床・壁・天井といった躯体の断熱改修を含む、幅広いリフォーム工事が対象
- 『先進的窓リノベ2026事業』:高断熱性能の製品を用いた窓・玄関ドアなど開口部の改修
- 『給湯省エネ2026事業』:高効率給湯器の設置
- 『賃貸集合給湯省エネ2026事業』:賃貸集合住宅における省エネ型給湯器への交換
『住宅省エネ2026キャンペーン』を構成する4事業と予算
「玄関ドアの交換は対象になるのか」と気になる方もいるでしょう。
開口部の断熱改修を扱う『先進的窓リノベ2026事業』では、窓だけでなく玄関ドアの断熱改修も対象に含まれます。ただし、玄関ドアの交換単独では申請できず、ガラス交換・内窓設置・外窓交換のいずれかと組み合わせて実施することが条件になっている点には注意が必要です。玄関ドアのリフォームで実際にいくら補助を受け取れるかは、対象条件や金額の目安とあわせて別記事で詳しく解説しています。
浴室(ユニットバス)については、高断熱浴槽への交換など省エネ性能に関わる工事が対象となる場合があります。ご自身の工事が該当するかどうかは、具体的な製品・工事内容をもとに施工業者や公式サイトで確認することをおすすめします。
なお、補助額の具体的な目安は工事内容・製品グレードによって細かく分かれており、公式サイトの「補助対象リフォームMAP」で工事ごとに確認する仕組みになっています。
なお、補助額はリフォームする窓の大きさや、設置する製品の性能グレードなどによって細かく分かれています。
ご自身の工事で実際にいくらもらえるかは、公式サイトの『補助対象リフォームMAP』で個別に調べるか、リフォーム事業者に見積もりを依頼して確認しましょう。
申請の流れ|4ステップ、手続きは「登録事業者」が代行
補助金の申請というと「自分で書類を用意して役所に持っていく」イメージを持つ方もいるかもしれませんが、『住宅省エネ2026キャンペーン』の場合は少し違います。
手続きの主役は消費者自身ではなく、契約したリフォーム事業者です。
- ステップ①:リフォーム事業者に相談し、対象となる工事内容・製品を決める
- ステップ②:契約したリフォーム事業者(住宅省エネ2026キャンペーンの「登録事業者」)が、消費者に代わって「住宅省エネポータル」で交付申請の手続きを行う
- ステップ③:複数の補助事業に該当する場合は、「ワンストップ申請」としてまとめて手続きできる場合がある
- ステップ④:工事完了後、実績報告等を経て補助金が交付される
交付申請から補助金交付までの流れ
つまり、消費者自身が直接申請書類を作成するのではなく、「登録事業者」を通すのが基本の流れです。
見積もりを取る段階で、その業者が登録事業者かどうかを確認しておくと安心です。
「予算上限」に注意|交付申請はいずれもすでに受付開始
「リフォーム補助金 2026 いつから」と気になって検索している方も多いかもしれません。
リフォーム分の交付申請(予約を含む)は、事業ごとに開始時期は異なるものの、いずれもすでに受付が始まっています。
ただし各事業とも「予算上限」に達した時点で受付が早期終了する仕組みのため、検討している方は早めにリフォーム事業者へ相談しておくのが安心です。
自治体の補助金は併用できる?「リフォーム減税」との違いも整理
国の補助金と自治体の補助金は、多くの場合「別枠」として組み合わせて利用できる可能性があります。ただし、制度によっては併用を制限しているケースもあるため、事前の確認が欠かせません。
また、リフォーム関連では住宅ローン減税や「リフォーム減税」といった税制上の優遇措置も別途用意されています。住宅ローン控除の必要書類は初年度と2年目以降で異なるため、あわせて確認しておくと安心です。
補助金は「工事費用の一部を受け取る」制度、減税は「税額が軽減される」制度で、性質が異なります。どちらも利用できる可能性がある場合は、リフォーム事業者や税理士に相談しながら、実際の負担額をシミュレーションしておくとよいでしょう。
制度の相談先としては、一般社団法人住宅リフォーム推進協議会の支援制度検索サイトが窓口の一つになっています。
「介護のためのリフォーム」は別制度|支給限度額は20万円
高齢のご家族のために手すりの取り付けや段差解消を考えている場合は、ここまで紹介した省エネ系の補助金とは「別の制度」である介護保険の住宅改修費が該当します。
- 支給限度基準額:要介護状態区分にかかわらず上限20万円
- 保険給付の割合:原則9割(上限18万円)、所得に応じて8割(上限16万円)・7割(上限14万円)
- 対象となる主な工事:手すりの取付け、段差の解消(浴室の床のかさ上げ、玄関の段差解消等を含む)、床材の変更 等
介護保険の住宅改修費 支給限度額
「省エネ目的のリフォーム」と「介護目的のリフォーム」は制度の管轄も申請窓口も異なります。
また、介護保険の住宅改修は、原則として「施工前(着工前)」と「施工後」のそれぞれで自治体へ申請する流れとなります。
ご家族の状況に応じてどちらの制度が当てはまるか、あるいは両方を組み合わせられるかは、ケアマネジャーや自治体の介護保険担当窓口に相談すると具体的に整理しやすくなります。
まとめ
リフォームの補助金は、『住宅省エネ2026キャンペーン』のような国の省エネ関連制度と、自治体独自の補助金、そして介護保険の住宅改修費という、それぞれ目的や窓口の異なる複数の制度で成り立っています。
まずはご自身が検討している工事がどの制度に当てはまりそうかを整理したうえで、リフォーム事業者や自治体の窓口、ケアマネジャー等に相談しながら進めていただくのがおすすめです。
「予算上限」による早期終了もあるため、検討中の方は早めの情報収集と相談を心がけましょう。
元窓口経験者が伝えたい、「知っていれば使えたのに」を防ぐための方法
ご利用にあたっての注意
- 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品・サービス・業者の購入や契約を推奨・勧誘するものではありません。
- 記載の制度内容・対象工事・申請期間は2026年7月時点の情報に基づく目安であり、予算の状況や制度の見直しにより変更される場合があります。
- 最新の情報は各制度の公式サイトでご確認いただくとともに、個別の適用可否については契約予定のリフォーム事業者、税務上の判断については税理士、介護保険の住宅改修費についてはケアマネジャーや自治体の介護保険担当窓口など、専門家・専門窓口へのご相談のうえ、ご自身の判断で進めてください。
参考情報
地方自治体で社会保障の実務に従事。別の自治体では臨時職員として被災者生活再建支援制度の受付も担当。注文住宅の建築や住宅ローン選びを自ら経験した生活者目線で、住まいとお金の情報をわかりやすく発信。
記事で紹介された補助金は広く案内されている制度ですが、「誰が対象で」「どんな手続きが必要か」という情報にたどり着くのは、実は難しいものです。地方自治体で国民健康保険料・後期高齢者医療保険料の賦課や窓口相談を担当していた立場から言えるのは、公的な支援制度の多くが「申請して初めて受け取れる」仕組みだということです。自治体の窓口でも「知っていれば使えたのに」という声を耳にする機会は少なくありませんでした。
リフォーム関連の補助金も同様で、まずは制度の存在を知り、リフォーム事業者や自治体窓口、ケアマネジャーなど適切な相談先につながることが第一歩になります。また見逃せない点として、予算上限で早期終了する制度もあるため、該当する可能性がある方はまず事業者や自治体窓口に相談してみるのが安心です。